夜逃げした着付け業者「はれのひ」事件を、探偵が調査した結果

2018.01.11
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検討

記録を検討すると、その店舗数の錯綜が見受けられるが、ホームページでも店舗として表記があったのは、4店舗であり、その他の2店舗はこの「はれのひ事件」よりずいぶん前に閉店していたと考えられる。

売り上げ規模が増加しているように見えて、 その実、不採算店舗などを閉鎖したという事になれば、売り上げ増加は見せかけである。

金融筋の情報によれば、融資の申し込みをしていたというものがあり、ある程度の段階までは事業の立て直しを図っていた可能性があるが、再建の見込みがなく、融資審査に落ちている

よって、経営難に至り、支払いができなくなるところまで行って、特に資産もないことから、 事業としての支払いのほか、給与についての支給も難しくなり、振袖業者さんが最も稼ぎ時となる「成人の日の連休を狙ってわざと事実上の倒産に見せかけた可能性が濃厚だと考えるのが自然だろう。

ただし、破産記録によれば、「はれのひ株式会社」についても、代表取締役のS氏、同取締役のI氏記録はなかった。 つまりは現段階では破産はしていない

また、通常、このような状態で債務不履行の状態に陥った企業では、夜逃げや破産の手前で、玄関ドアに「破産する意向がわかる文面」と連絡先の弁護士名が掲示されていることが多いのだが、はれのひ株式会社については家賃滞納もしており、このような張り紙はなかった

こうした点を検討すると、代表取締役であるS氏の「計画性の無さ」という性質が浮き彫りになってくる。

例えば、S氏はそもそも実店舗を運営するという考えはなく、コンサルタントとして助言をすることで生業を立てようとしていたわけだ。実店舗運営とコンサル業は全く性質が異なりそのワークバランスも全く違うのだ。

この初心を貫かず、 実店舗を流れでやってみたら、まだライバルも少なく、目新しいところを攻めたのが「たまたま」軽いヒットをした。 こっちの方が儲かるぞと、さっさと事業を変更したわけだ。もちろん、流れに乗るのは悪いことではない。むしろ事業運営には流れに乗るということは重要なことなのだ。

ところが、計画性はほとんどなく資金計画もないに近い状態で店舗展開を急ピッチで進めたのだ。これには、店舗展開についてのマーケティング期間もほぼなかったであろうと言っても過言ではない速さでの展開であった。

ほぼノリで広げてみたけどやってみたら赤字が膨らんだというところだ。さらに、資金計画は皆無。金融機関は融資には消極的になるのは当然だろう。

そして、さほど裕福ではなく、学歴や見た目にコンプレックスのあったS氏は、この反動から、一見裕福な生活を好む傾向があった。高層タワーマンションなどはその典型であり、通例は、成功して分譲を現金でドーンと購入するところを、それをするだけの資金はないので、ひっそりと賃貸情報をチェックして、あたかも自分が成功して買ったのだというように見えるようにしてこの高級高層マンションに住み始める

計画性の無さ、派手な生活を好むようになれば、当然に、事業自体は社長というガンの前に立ち行かなくなっていくものだ。一方で、法人登記簿とホームページなどの情報に差がある。こうした経営者はズボラで虚言癖があり自分を大きく見せようとする節がある。

用意周到にこの成人の日に逃亡しようというのであれば、もしくはプロの詐欺師であるのならば、債務不履行で資金もなく、結果的に破産をするというように見せかける要素をいくつも作るだろう。こうした要素を作ることで、詐欺罪という刑罰は避けることができる。刑罰のリスクはなるべく避けようとリスクヘッジするのだ。

ところが、破産の手続きも後手であろうし、単に金を持ち逃げして姿を眩ましたというのが、事の顛末だ。

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