大恐慌からの大戦争。1929年からの歴史は繰り返されるのか?

 

貿易戦争に対抗策

しかし、米国が貿易を止めると、米国以外の各国はブロック経済圏を作り、そこで貿易自由化を拡大して、貿易量の維持を行うことになる。その1つがTPPである。

米国もそのTPPに加入交渉をするというが、米国に有利な条件で加盟するという。その交渉を始めるというが、貿易制限をしている米国をTPP加盟国はどう見るのであろうか?

カナダは、米国の条件を飲むくらいなら現在交渉中のNAFTAを離脱して、TPPに賭けると言っている。というように、TPP加盟国は米国の条件を飲まないようだ。

そして、今後、米中の貿易制限競争で世界経済は失速することが確実である。日本企業の売上増は米中の売上であり、日本の景気も急速に失速することが見えている。日本企業は強いが世界が弱くなるとそれに引きずられて日本も弱くなる。

このため、日欧FTAや東アジア地域包括的経済連携RCEPなどで米国を抜いたブロック経済圏を作り、米国抜きの世界経済を強くして世界の貿易量を確保することで、日本企業の業績落ち込みを抑えるしかない。

米国が今までしていた世界を考えることで、日本は生き延びることである。覇権国米国の代行を日本が行うことこそ、日本のやるべきことになる。世界の平和と経済を考えることである。

戦争経済に

というように、世界経済的に恐ろしい事態が進行している。世界の景気は確実に落ち、特にブロック化をしない米国の貿易量は大きく落ちることになり、特に米国企業の利益は大きく落ちることになる。米国優先の経済政策で米国が大きく傷がつくことになる。

米国経済が落ち始めると、戦争経済に向かうことになる。シリアや北朝鮮での紛争が進行しているのは、米国の経済が落ちた時に戦争経済に移行できるようにしているのではないかと疑いたくなる。

第2次大戦による戦争経済により、1929年の大恐慌の傷が癒えたように、2008年のリーマンショックの経済的な傷は、次の大戦争でしか癒えないとみている米国の知識人がいるようだ。このため、歴史は繰り返すのである。

北朝鮮と米国との戦争になれば、日本も無傷ではないはず。中東での戦争になってほしいが、しかし、どちらの戦争でも戦争になれば、核戦争になることが予想できるので、そうなってほしくないと願うしかない。

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