1円も年金保険料を払わないのにこんな保証。公的年金の凄さ

 

1.平成9年7月1日生まれの学生(今は20歳)

何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

誕生日の前日である平成29年6月30日が20歳到達日であるから、この6月分の国民年金保険料から納める義務が生じる。まだ現在は学生だから、学生納付特例免除を使ってる状態。しかし、平成30年3月13日に事故に合い(初診日)、片脚が動かなくなるという障害を負ってしまった。医師からは平成30年4月20日にこれ以上治る可能性は無いという診断。事故だと損害賠償の話になりますが、社会保障は無いのか。

そう、障害年金ですよね。障害年金には条件があります。初診日から1年6ヶ月経った日、またはそれまでにこれ以上治療の効果が期待できないと認められた日(この学生は平成30年4月20日を障害認定日という)の属する月の翌月から障害年金が請求により発生する。なお、初診日が20歳以上の学生免除の期間にあるから支給されるとしたら国民年金からの障害基礎年金のみ。

そして、更に初診日までの年金保険料を納めた期間を見なければならないですよね。平成29年6月から、初診日の前々月(平成30年1月)までの保険料を納めなければならない期間8ヶ月の間に保険料納付済期間+免除期間が3分の2以上(つまり最低でも5.333…ヶ月はそうである)、または初診日の前々月までの直近1年間に未納がない事

※参考

もし20歳以降滞納状態だったとしても、初診日の前々月までの保険料納付記録を見るから、初診日が平成29年7月までにあれば免除申請してなかったとしても問題ない。だから免除申請も7月中までにしてもらえれば大丈夫。なぜなら、平成29年6月と7月は保険料納付義務はありますが、初診日の前々月である平成29年5月までは20歳には到達してないので保険料納付義務が生じていないから。

今まで学生特例免除だったから、この保険料納付期間も問題ありません。で、診断の結果障害等級2級に該当した。治る見込みがないという事で、一生障害基礎年金が出る「永久認定」とされた。普通は1~5年間隔で再度診断書の提出を求めて障害状態を見ながら(有期認定という)その後障害年金を支給し続けるか見るが、もう治らないと認定されると永久認定として一生障害年金が支給される人もいる。

障害等級2級なら障害基礎年金779,300円が支給される(1級は1.25倍の974,125円)。この779,300円という金額は20歳から60歳までの40年間完璧に国民年金保険料を納めた場合の老齢基礎年金額と同じ金額(金額は平成30年度価額。年金額は物価スライドするから年度によって変更される)。途中で子供ができたら18歳年度末未満の子が1人増えるごとに224,300円の子の加算金が付く(3人目以降は74,800円)。

この学生は今まで1円も年金保険料納めてないけど年金が出るんですね! 基礎年金の満額の状態で。仮にこの学生が今後平均的な寿命になる90歳まで生きるとしたら、779,300円×70年=54,551,000円が支給されるわけです。子の加算が付くような場合は更に数百万から1,000万くらい変わってくる。民間保険じゃこんな仕組みは絶対無理ですよね(笑)。

もし、学生納付特例免除をやっておらず保険料滞納の状態にしていたら1円も年金は出なかった。年金額に反映しないんじゃ旨味のない免除だな…っていうのは65歳から支給される老齢基礎年金の話であり、障害基礎年金や遺族基礎年金は年金額を最高額で支給する。まあ、年金は「保険」だからちゃんと免除して保険事故に備えていたという事で、年金を支給するわけですね。したがって、学生納付特例免除にはそういう重要な役割があるので未納は避けときましょう^^。

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