旧民主党には、偽リベラルというべき人が多い。その偽リベラルのせいで、本当の意味のリベラル政党が日本で成立しない。若い人は偽リベラルに騙されていない。読売と早大政治経済研究所が2017に行った世論調査によれば、40代以下は自民党と日本維新の会を「リベラル」な政党、共産党や公明党を「保守的」な政党と捉えている。若い人ほど自民党を「リベラル」と感じている。
一方、50代以上は、偽リベラルが支配する既存メディアからしか情報を得られず、共産党を「リベラル」だと捉えるなど、大きな断層が生じている。そういう中にあって、著者は安倍首相は保守の枠内ながら、リベラルな色彩の濃い政策も、時代が要求するものであれば採り入れるなどよく頑張っているし、難しいトランプ大統領の時代に、日本の国益を奇跡的に守っていると見る。
やがて日本は安倍ロス現象に悩まされる。アメリカが民主党のリベラル大統領になれば、別の問題も出てくる。世界的な諸問題に力強く取り組めるような政治家が現れないと、日本沈没である。恐ろしいことに、安倍の次の首相をまったくイメージできないのだ。安倍やめろ、とプラカードや横断幕を持つひまな年寄りよ、じゃ誰が日本の首相をやればいいいと思っているのか問い詰めたい。
著者は、保守だけでなく、中道やリベラル、場合によっては穏健左派を排除しない保守・中道二党論を待望している。「ただ、そこに立憲民主党が入る余地はありません」と断言する。日本の今の平和は、憲法第九条によってではなく、アメリカと自衛隊の軍事力に守られているのだ。夢から覚めよ日本人。
編集長 柴田忠男
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