狡猾な北朝鮮を、逆に日本がだますのはどうでしょうか?

kitano20180626
 

中国の「独自支援」を得つつある金正恩は、アメリカが求めている「非核化タイムテーブル提出を無視するのでは?」とも噂されています。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは、読者の方からの「日本も拉致被害者の返還実現後、お金は渡さないだまし合い策をとるべき」という趣旨の投稿を紹介、投資家ソロスの分析を引用しながら「国がウソばかりつくと求心力が弱まる」と指摘しています。

金正恩をだますのは、どうでしょうか?

読者のSさまから、おたよりをいただきました。

北野様

 

まだ動くな日本。金正恩が仕掛ける日朝首脳会談の巧妙な『罠』」を拝読しました。読んでいるうちに「なるほど確かに北野さんの言うとおり、核廃絶をしないかぎり金と会わないほうがいいなぁ~…」と思いましたが……、フッと思ったことが…。

 

これは私見ですが、日本政府は北朝鮮側に「拉致被害者を帰してくれたなら経済支援を考慮しましょう…」と話をして、拉致被害者が帰国したら金には「北朝鮮ばり」に色々と理由をつけてカネを渡さない…、もしくは、核兵器開発ができない「手付金」しか渡さない。と、いうことはできないでしょうか?

 

そして…「核兵器、ミサイル廃棄が、『完全且つ不可逆的に検証』できるようになったら本格的な経済支援をしましょう」、つまり、日本からの経済支援―カネ―が欲しいなら「本当に平和な国で、これから国際社会に復帰する」ための誠意を見せろ! ということはできないでしょうか?

 

日本政府は、ここまでの度胸とハッタリはないでしょうかね? 国の政治も「人間社会」ですから、ある程度の「度胸」と「ハッタリ」も必要ではないでしょうか?>

このメールですが、「拉致被害者を返してもらい北朝鮮にカネは渡さない」という作戦です。

この件について、私の考えを書きます。結論からいうと、私は相手が北朝鮮であろうと、ウソをつくことには反対です(そもそも、うまくだませるかという話もありますが)。

「…北野さんは、リアリストだと思っていましたが、しょせんアマチャンの理想主義者ですね。驚きました」と思う人もいることでしょう。しかし、私が「ウソはつかないほうがいい」というのは、「道徳的に悪いから」ではありません。「ウソは国を弱めるからです。どういうことでしょうか?

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