「家事は女性がやるもの」という不公平が家事をツマラナくしてる

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ここ70年余りで、洗濯機・冷蔵庫・電子レンジ・炊飯器が家庭に登場し、物理的な家事の負担は大きく減りました。しかし、相変わらずなのは「家事は女性がやるもの」という固定観念です。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、「夫婦での分担が家事を楽しいものに変える」と説き、実現に向けたアイデアも紹介しています。

偏りが楽しみを食いつぶす

さて、本日は偏りのお話。

日本料理界の重鎮、分けとく山の野崎さん。正統派の日本料理だけでなく缶詰やレトルトなどを非常に上手く使う料理本などを出版しています。いやー、分けとく山は美味しいよね(*^O^*)。

とはいえ、日本料理といえば、厳しい修行と上下関係で有名ですよね。彼ももちろん若いウチには、厳しい修行をくぐり抜けてきたわけです。いや、厳しい修行って、要は「料理の下ごしらえ」とか「皿洗い」とか、家庭でもやっているようなことなんですけどね。そんな彼が

労働や作業だけと考えていたら、こんなに長く続かなかったでしょう

と語っています。そりゃそーですよね。楽しさや面白さがなきゃ続かないよ。

ところが、そうした楽しさや面白さが全く失われそうになっているのが

  • 家事

です。家事こそが、そこから喜びや誇りをなくしてしまった仕事のひとつなんです。だからこそ、どれほど早くやるかどれほど手軽にやるかだけが競われ、家庭内でも誰が「負担」するのかが問題になるのです。

だいたい「負担」っていうコトバ自体が家事に対する考え方を表していますよね。楽しいことをするとき、「負担」というコトバは使わないでしょ。税金を負担する、負担に感じる…など、イヤだけど仕方がないからシブシブというニュアンスのコトバですよね。そう、つまり今現在家事って「イヤだけど仕方がないからシブシブ」やるもんになっているんですよ。

ここで考えたいことが二つあるんです。ひとつは

  • 楽しい労働とはどんなものか

です。日本ではこの点について、近年非常にマズい状況になっていると思います。すなわち、過酷な労働が常態化しているために

  • 労働とは須(すべから)くツマラナイ

という認識が広がってしまっていると感じるんです。すべての仕事には、労働や作業の部分、要はツマンナくってルーティンな部分ってあるものです。ま、ハッキリ言えばそれが大半です。だから

  • そうした部分のない仕事を探してもムダ

なんですよ。なので、念のため言っておきますが、そうした部分を

  • 家事から取り除こうとする

のは、もう全くムリですよ。そうではなくて、楽しみを見いだすことを考えた方がいいのです。

家事をツマラナイものにしているもうヒトツ。

  • 家事の分担について

です。家事が他の労働と同じく、ツマラナイ部分もクリエイティブで楽しい部分を併せ持っていてなるべく後者の部分にフォーカスしながらやるのだとしても、分担に偏りがある場合には、ツマラナイ部分が楽しい部分を食い尽くして

  • なんでこんなことばっかり…!

になってしまうからです。そして、ここで残念なことを改めて言うことになるんですが、日本の現状については言うまでもなく

  • 圧倒的に女性

が分担しているんです。SNSにはその不公平を嘆く怨嗟に溢れていますよね。共働きが全くフツーとなったのに、女性が9割以上を分担しその大変さに想像力のない男性から「疲れているなら、カンタンにトンカツでいいよ」とか言われたりするわけですから。そりゃ文句を言うなって方が、ハッキリ間違っていますよね。

この圧倒的な不公平の下ではどうしたって、「家事はツマラナイもの、負担するもの」になるでしょう。この点で、おそらく日本の家事は

  • 世界一(言い過ぎか。OECD一)ツマラナイ家事

と言えるのです。

こう考えてくると、家事に対して積極的になれないのは家事がツマラナイかどうかではなく

  • 分担に偏りがあるのがモンダイ

なんだろうということが解ってきますよね。家事のスキルを磨いたり、効率化を図るのももちろん大事ですが、

  • じっくりパートナーと話し合う方が

ずっと家事を楽しくやるためには大事なんです。

え? 言っても変わらない( ̄∇ ̄)? うん、まあ、それはよく解る。だけどそれは確実に突破出来る方法があるんですよ。それは

  • 社会の趨勢がどうなっているのか

を教えることです。同調圧力の強い日本では大多数がどうやっているのかが、自分の身の振り方を決めるときの

  • 重要な判断要素

なんです。つまり

  • え? 幼稚園の迎えってパパの仕事だよね?
  • 夕食作れないの? マジで!? ウソだろ?
  • ゴミ出ししかできないなんて、おムコに行けないよ(^Д^)
  • 高い場所の掃除は、男性がやる方が効率的だよね

とか言われるようになると、同調圧力がかかって

  • 怒濤のように一気に変化

するんです。なので、現在特に世界では

  • イケてる男は家事をする

というのが趨勢であることを、根気強く根気強く根気強く教えてください。

家事を楽しくやるには、パートナーとの分担が不可欠。スキルよりなにより、それが根本的な解決方法ですよ。

image by: shutterstock.com

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食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。

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【著者】 真井花(まないはな) 【発行周期】 週3回(月水金)刊

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