病気や怪我で働けなくなった時、「年金」は個人を助ける最強の砦

 

まず障害年金の支給要件を確認する。

ア.初診日はいつか?
イ.初診日の前々月までの年金保険料を納めなければならない月がある場合は3分の2以上が保険料納付済みもしくは免除期間でなければならない。
それか、初診日の前々月までの直近1年間に未納が無ければいい
ウ.初診日から1年6ヶ月経った日(障害認定日という)を迎えた。

ア.の初診日においては、この男性はA病院の平成26年9月15日。肺癌の確定診断された日が初診日ではないです(この記事だと初診日時点で肺癌との因果関係があるので)。また、この初診日に加入していた年金制度は厚生年金だから、支給されるなら障害厚生年金

初診日がなぜすごく重要かというと、初診日に加入していた年金制度によって障害年金の種類が変わるし、ここを基準に過去の年金保険料納付状況を見なければならないから。

イ.は平成7年7月から平成26年7月(初診日の前々月)までの229ヶ月で見ますが、この間に63ヶ月の未納

3分の2以上(割合で表わすと66.66%以上)かどうかを見てみると166ヶ月(厚生年金期間133ヶ月+学生免除期間33ヶ月)÷229ヶ月=72.48%もあるから大丈夫。というかサラッと直近1年に未納が無いかを見ますけどね^^;

あと、ウ.は平成28年3月15日が障害認定日。この日以降障害年金請求が可能になる(請求は代行で誰がやっても構わない。この場合妻がやってくれたものとします)。診断書(年金専用の診断書)は障害認定日から3ヶ月以内の現症のものをかかりつけの医師に書いてもらう事が必要。請求の結果、働く事はなんとか可能だけど労働に結構制限があったため障害厚生年金3級の認定が下りた。

障害厚生年金は障害認定月(平成28年3月)までの厚生年金期間と平均標準報酬月額で計算する。つまり、平成15年7月から平成27年6月までの144ヶ月の厚生年金期間。

  • 障害厚生年金3級→(41万円÷1,000×5.481×144ヶ月)÷144ヶ月×300ヶ月=674,163円(月額56,180円)

次回診断書の提出は平成31年7月の誕生月だった(←通常はこんなふうに1~5年間隔で定期的に診断書を提出してもらう事によりその後の障害年金の等級や額を決める)。

※ 注意

障害厚生年金は厚生年金期間が300ヶ月に満たない場合は300ヶ月に見なす。なお、障害厚生年金3級の場合は年金額584,500円に満たない場合は584,500円が最低保障される。ちなみに、この男性には65歳未満の配偶者と18歳年度末未満の子が1人いるものとします。

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