間違いやすい敬語の使い方 「ご案内して差し上げます」
ご到着されましたら、社長室にご案内して差し上げます。
上記は、相手が自社に到着してからの段取りを説明する一文です。一見、丁寧な感じもしますが、敬語としてはツッコミどころも。
「ご案内して差し上げます」は「ご案内する+差し上げる」と分解できます。しかし、ここで謙譲語「差し上げる」を使うと、あなたのために案内してあげているのよ、と恩着せがましい印象を与えます。
「差し上げる」は、「やる」「あげる」の謙譲語。「案内して差し上げる」の元の文は「案内してあげる」だからです。
この場合は「差し上げる」を使わなくても「ご案内いたします」とすれば文もすっきりし、相手への敬意も伝わります。
「ご到着されましたら」も「ご到着後」と簡略化すれば、文全体が引き締まります。したがって上記の文を言い換えると
ご到着後、社長室にご案内いたします。
メールで知らせる場合でも口頭でも、こうすればすっきり簡潔に、相手に敬意を払った一文として使えます。
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