逆効果。敬語のつもりが「恩着せがましい」と受け取られる言葉

 

間違いやすい敬語の使い方 「ご案内して差し上げます」

ご到着されましたら、社長室にご案内して差し上げます。

上記は、相手が自社に到着してからの段取りを説明する一文です。一見、丁寧な感じもしますが、敬語としてはツッコミどころも。

「ご案内して差し上げます」は「ご案内する+差し上げる」と分解できます。しかし、ここで謙譲語「差し上げる」を使うと、あなたのために案内してあげているのよ、と恩着せがましい印象を与えます

「差し上げる」は、「やる」「あげる」の謙譲語。「案内して差し上げる」の元の文は「案内してあげる」だからです。

この場合は「差し上げる」を使わなくても「ご案内いたします」とすれば文もすっきりし、相手への敬意も伝わります。

「ご到着されましたら」も「ご到着後」と簡略化すれば、文全体が引き締まります。したがって上記の文を言い換えると

ご到着後、社長室にご案内いたします。

メールで知らせる場合でも口頭でも、こうすればすっきり簡潔に相手に敬意を払った一文として使えます。

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仕事上手はメール上手! 「ご返事」「お返事」どちらが正しい?
メールで間違いやすい敬語の使い方は? など、気になるビジネスメールの基本やマナーをご紹介。2005年1月創刊、まぐまぐ大賞「ビジネス・キャリア部門」入賞。「迷わず書けるメール術」など、メール対応関連の著書8冊刊行。まぐまぐ!から有料メールマガジン「仕事のメール心得帖」も配信

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【著者】 神垣あゆみ 【発行周期】 平日日刊

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