損するだけなのに。なぜ中小企業は大手とばかり手を組むのか

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大手メーカーや大手小売店が、中小企業に対して見向きもしなくなってきているというスポーツ用品業界の現状を逆手にとって、これは中小企業にはチャンスだと捉えているのは、無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者・梅本泰則さん。梅本さんが考える、中小と中小が手を組むことで見えてくる「商機」とは?

■中小にとってのチャンス

日経ビジネス9月24日号に、IT企業「オービック」の記事が載っていました。2018年の営業利益率は48.4%で、この10年間に20ポイント伸びたとあります。すごいですね。どんな方法をとったら、そのような営業利益率になるのでしょうか。

その戦略が簡単に紹介してありました。それは、お客様を中小企業に絞ったことです。大手企業を相手にすると、その要求はどんどんと複雑になり、範囲も広くなってしまい、担当者が疲弊します。その結果、売上は増えても収益が低くなってしまう、とあります。

それに対し、中小企業との取引はこちらのペースで仕事が出来、人手もかけずにすむので利益があがる、というのが秘訣のようです。この記事を読んで、まさにスポーツ用品業界にも思い当たるところがありました。どんなところでしょう。

今の日本のスポーツ用品業界は、大手のメーカーさんと大手の小売店さんが引っ張っています。そして、大手のメーカーさんは大手の小売店さんばかりを見ている感じです。中小の小売店さんは、たいして見向きをされなくなっています。経営戦略なのですから、それはそれで仕方ありません。

一方、大手小売店さんは、大手メーカーさんとの取引に力を入れていますが、中小のメーカーさんとの取引には、そうでもないようです。実は、ここに中小の小売店さんや中小メーカーさんにチャンスがあると思うのです。

■大手担当者の悩み

オービックの例にあるように、メーカーさんにとって、大手小売店さんとの商売に力をいれても必ずしも利益が上がるとは限りません。なぜなら、メーカーさんが大手小売店さんに納める掛け率は通常よりかなり低いからです。ですから、そもそも最初から大きな利益率は確保できていません。

その掛け率は、メーカーさんと大手小売店さんが、毎シーズンし烈な交渉を繰り広げた末の結果です。この先、納入掛け率が上がるというようなことはないでしょう。それでも、大手小売店さんの発注金額は億単位になることもあります。担当者にしてみれば、一気に売上が稼げますから、掛け率が厳しくても我慢です。

利益が減る要因は、それだけではありません。大手小売店さんは、発注した商品を全部売り切ることは少ないです。そのため、シーズン後に売れ残った商品は、メーカーさんに返品されることになります。その代わり、新しい商品を納めることが条件です。

この交渉がまた大変で、予定していた以上に返ってきてしまうこともあります。メーカーさんは、返された商品をアウトレットモールにある自社の店舗で売ったり問屋さんにまとめて安く売ったり、いろいろな手を使って消化しなければなりません。これらは、担当者にとっても大変な仕事です。

そのうえ、大手小売店さんからは、広告宣伝費や物流費の一部を負担するよう迫られることもあります。これも利益が削られる原因の一つです。

それやこれやで、大手小売店さんの担当者は疲弊していきます。オービックの担当者と同じようなことです。

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