1年の途中で給料が大幅に下がったら、年金保険料も下がるのか?

 

ついでですが、この男性が65歳まで働いた場合の年金額の変更を示すといくらになるか。平成29年7月から平成30年12月までの18ヶ月は標準報酬月額20万円で働いた。平成31年1月から65歳誕生月の前月である平成32(新年号2)年6月までの18ヶ月は標準報酬月額16万円で働いたとします。そうすると、65歳到達時改定という年金額の再計算を行う

  • 老齢厚生年金(報酬比例部分)→20万円×0.945(平成30年度再評価率)÷1,000×5.481×18ヶ月+16万円×0.945÷1,000×5.481×18ヶ月=18,646円+14,917円=33,563円増える
  • 老齢厚生年金(差額加算)→1,625円(平成30年度価額)×60ヶ月(60歳から65歳まで働いた分)=97,500円

この差額加算というのは65歳から支払われるもの。

よって、65歳からの老齢厚生年金額は144万円+33,563円+差額加算97,500円=1,571,063円となって終身支払われる。

また、65歳になると国民年金から老齢基礎年金も支払われ始め、もし65歳到達時に65歳未満の生計維持している配偶者が居たら老齢厚生年金に配偶者加給年金389,800円も加算される場合がある。

追記

差額加算(経過的加算ともいう)は65歳から支払われるものです。なお、60歳から65歳まで働いた分で単純に算出してますが、20歳から60歳までに既に480ヶ月の厚生年金期間がある人はほとんど差額加算は付かない。もし、20歳から60歳までに480ヶ月の厚生年金期間がある場合はこういう事になるから。

  • 1,625円×480ヶ月(←上限月数)-779,300円÷480ヶ月×480ヶ月(昭和36年4月以降の20歳から60歳までの厚生年金期間)=780,000円-779,300円=700円年額

経過的加算(差額加算)とは一体何なのか?(参考記事)

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
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