あやとりには抜群の教育的効果がある
私の受け持つクラスでは、必ず、毎年あやとりに取り組みます。1年生でも6年生でも、必ずやります。最初は何もできない子が、やっているうちにどんどん覚えていきます。なぜ必ずやるかといえば、あやとりには、驚くほど多様な教育的効果があるからです。
1.様々な技ができるようになることで、達成感を味わうことができます
そこに向上の喜びがあり、またそれが自信につながり、自己有能感を養うことができるのです。技ができるようになったときの喜びは、鉄棒や縄跳びでのそれと同じです。3年前、3年生で教えた子の母親が、あのころ夢中になったけん玉やあやとりが6年生の今も子供の財産になっていると言ってくれました。
2.技の習得に向けて努力することで努力の大切さを知ると同時に、集中力を養うことができます
こつこつと取り組む子、夢中になって一日中練習する子などが出てきます。そのような努力の経験は、必ず他のことにも波及するものです。
3.手先が器用になり、脳の発達を促します
特に右脳に良い影響があります。自分も四段ばしごがなかなか覚えられませんでした。覚えたと思ってもすぐ忘れるということを繰り返していました。その時はいわゆる頭で覚えている状態で、この次は親指でこれを取って…と考えながらやっているのです。これは、左脳で覚えているのです。
ですが、それでもしつこくやっていると、だんだん体で覚えているという状態に移行していきます。これが、右脳で覚えている状態です。気を付けて自分の状態を観察していると、その移行の過程が何となく分かります。スイッチが切り替わったな、と分かることがあるのです。
右脳は使うことでのみ活性化され発達させることができるので、自分のためにもあやとりを続けて行きたいと考えています。
4.二人あやとりで一緒に遊んだり、技を教え、また教わったりする中で、人間関係に良い影響があります
子供同士で仲良くあやとりをやっている姿は、まことにほほえましいものです。特に高学年の男の子と女の子が二人あやとりを一緒にやったり、技を教えあったりする姿は、とてもうれしいものです。
親子でやれば、親子の情愛が深まります。お年寄りとやれば、おじいちゃん、おばあちゃんへの情愛が深まります。