◆心理分析2「傍観者効果」
そしてもう一つが「傍観者効果」。「なぜ周囲の人が通報しなかったか」「なぜ周囲の人は止めなかったのか」などの意見もあるかと思います。
しかし人間、「何かが起きても、誰かが助けたり通報してくれるだろうと考えて、自分は何もしない」という心理があります。これこそが傍観者効果。
元は1964年、あるアパートの前で女性が殺される事件が起こりました。これ、数時間にわたって被害を受けており、なおかつ38人もの人が(あとから判明したのですが)それを目撃していたのにも関わらず、誰も通報しなかった…という事件から生まれた心理法則です。
みな「誰かが通報するだろう」と考えてしまうわけです。ましてや「自分が助けにいこう」と思う人はさらにレアなのです。くわえて今回、そもそものところ、上で話したように、「軽トラックの方もパフォーマンス(参加者)なのでは?」と思ってしまった方もいたのではないか、と考えます。
実際、揺らしていたときに、運転手の方が「お前ら、そこまでやっていいとは言ってないぞ!」と話されていたと、あとからお聞きしました。とはいえ結果的に自分自身も見ているだけになり、「結局、お前も傍観者効果に巻き込まれてるやん」と言われてもしかたない状況だと思います。それについて大変申し訳ありません。いずれにしても、多くの方が参加されていた中で起こった軽トラック横転。現場の状況と心理分析としては以上です。
今後は?
結構、ニュースを拝見しますと、「成人式で暴れる事件」みたいな形で扱われているようです。そして実際にみなさま、そう思われていると思います。それについては「確かにそうだと思う」と自分も思います。めっちゃ通じる。新成人だろうが、それ以上の方だろうが、人間心理は、根本的には子供のままなのかもしれません。
とはいえもちろん、再発してはならない事件。今回のことが少しでも教訓となって、「監視の強化」や「完全な通行止め」、また参加者の一人一人が心にとどめ、決して再発させないと誓うなどの対策が望ましいと考えます。
以上、無難なまとめをしつつも、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
image by: ゆうきゆう