「いじめ撲滅に本気で乗り出した文科省と、教育現場の呆れる本音」では「文科省主導のもとでいじめに対する学校の対応が良くなってきている」と述べたばかりですが、まだまだ、こんな認識しかできない学校、教員がいるのが現実です。この浅い認識のままいじめに対応していたなら、その対応がおざなりになるのは当然でしょうし、親身になってくれる先生もいなかったでしょう。遺書に「もっと不登校にやさしい世界だったらな」という言葉を遺さずにはいられなかった気持ちを理解できる教師であって欲しいものです。
私達は、いじめられている子の辛さや苦しみが理解できない人間には、「いじめの相談を受けることは難しい」とセミナーやシンポジウムで訴えておりますが、教師が例外であってはなりません。教師だからこそ、共感力、つまり子供たちに寄り添い、その心に寄り添おうとする気持ちを忘れてはならないはずです。ここが、いじめ問題の解決へのスタート地点であると思うのです。
お父さんは「いじめに目を背け、対応が遅れた。事実を明らかにし、二度と起こさないようにしてほしい」と話されていたとのことですか、冒頭の事例のように、いじめは早期発見、そして早期解決がなにより大切です。保護者、そして教師が力を合わせて子供たちを守ろうという決意、志が必要です。なにかお困りのことや、不安なことがありましたら、ご遠慮無くご相談ください。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
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