年金支給開始70歳なら42%も増える。待てるなら待つ方がお得な訳

 

で、ちょっと話が逸れましたが、今回は70歳までの年金の増やし方である年金の繰下げについての基本を押さえましょう。今ニュースになってる年金の支給が70歳になるというのは年金の繰下げの話とごっちゃに理解されてる所があるからですね。

なお、65歳以降1ヶ月年金を貰うのを遅らせる毎に0.7%も年金が増えていき、もし最大70歳まで遅らせると0.7%×60ヶ月=42%の年金が増えます。つまり、65歳時点の年金が100万円なら5年後には142万円になってるという事です。今時こんな金融商品あるかッ!!? めちゃくちゃ増えますが、この年金の繰下げは利用者が全受給者の2%にも満たないのが現状です。

その辺の切実な制度の理由は来週の有料メルマガで詳細にお話ししますので、今回の無料メルマガではあくまで基本を見ていきましょう。では事例。

1.昭和26年6月24日生まれの男性(今は67歳)

何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

65歳時点の老齢厚生年金額は120万円。65歳時点の国民年金からの老齢基礎年金は70万円とします。なお、現在は昭和36年10月30日生まれの生計維持してる妻(今は57歳)が居るため、配偶者加給年金389,800円も加算中。年金総額は2,289,800円(月額190,816円)。

しかし、この男性は退職金で生活に余裕があった為、年金はしばらく貰わずに頑張って70歳まで貰わないという「年金の繰下げ」を希望した。老齢厚生年金と老齢基礎年金両方貰うのを遅らせるか一方だけを繰り下げるという事もできる。この男性は両方繰下げを希望した。

さて、70歳まで繰り下げると60ヶ月間貰うのを遅らせる事になるので、0.7%×60ヶ月=42%最大増える事になる。ところが、気が変わって平成31年3月に繰下げの申し込みをする事にした。そうすると、65歳誕生月の平成28年6月から申し込みの前月である、平成31年2月までの33ヶ月間貰うのを遅らせた事になる。年金増額率は0.7%×33ヶ月=23.1%になる。年金繰下げ申し込み月の翌月分(平成31年4月分だから初回支払いは6月15日)からの支給になる。

  • 平成31年4月からの老齢厚生年金→120万円+120万円×23.1%=1,477,200円
  • 平成31年4月からの老齢基礎年金→70万円+70万円×23.1%=861,700円

そして配偶者加給年金は増額せず、そのまま389,800円。配偶者加給年金は特別何もなければ、妻が65歳になるまで支給される。つまり、

  • 平成31年4月分の年金総額→老齢厚生年金1,477,200円+老齢基礎年金861,700円+配偶者加給年金389,800円=2,728,700円(年金は偶数月に前2ヶ月分支払うから454,783円を偶数月の15日に振込)

まあ、65歳時点の年金総額2,289,800円よりも、33ヶ月間貰うのを遅らせただけで438,900円も増えましたね^^

年金の繰下げはやはり凄い!!でも記事の冒頭で申し上げましたように、利用者は年金受給権者の2%もいかないんですよね…^^;その理由は次回の有料メルマガで事例を用いて説明します。

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