ついでに添えると、子どもが何も「結果」を出していなくても、この働きかけは可能です。例えば、子どもが何かに夢中になっていることを材料に、
「さっきはユウがものすごく集中していたなぁ。あれほど頑張っている様子を見ると、見ているほうもワクワクしてくるなぁ」
と言うこともできます(集中している所を邪魔しては悪いので、一段落した時に言いましょう)。
なお、子どもの“得意なこと”は、ずっと一貫して同じものである必要はありません。去年はジャンプだったのが、今年はお絵描きになって、半年後には玄関掃除になっていても、全く問題ありません。むしろ、親の先入観で子どもの“得意”を固定してしまうことの弊害の方が心配なので、いくらか無節操なくらいでちょうどよいでしょう。こうして、自分の行動で他者の喜び・感動が起こる体験を重ねるほどに、子どもの中には「自己有能感」が育っていくのです。
また、自分に自信が持てていると、不得意なこと・初めてのことにチャレンジする勇気も持ちやすくなるもの。自己有能感を育てることは、子どもが自ら育つことを支える上で、効果的なサポートとなるのです。
あまり子どもに手を掛けようとし過ぎてはいけませんが、ちょっとした心掛けで子どもの自信、そして積極性を養える側面があることも事実。子どもと一緒に過ごす1日は、ちょっと気にしておいていただけると嬉しいです。
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