大臣就任が裏目。文春砲に狙われた片山さつき大臣の「四面楚歌」

 

音声データに戻ろう。片山氏の声は続く。

「すいません、大変申し訳ないんですけど、いつから、その話(取材に来た)って始まったんですか?選挙の前だったのは覚えてるんですけど。何曜日くらいですか?」

文春の取材は今から2年半前に始まったという。2016年の春か初夏だろう。片山氏の知人から同誌に寄せられた「片山事務所が財務省への口利きをめぐりトラブルになっている」という断片情報がきっかけだった。

16年7月10日に参院選の投開票があり、自民党公認で比例区から出馬した片山氏は再選された。7月に入って同誌の記者が南村氏に接触しているので、おそらく同じ時期にX氏へもアプローチしたのだろう。

「うーん、まあ(南村氏は)ちょっと荒っぽい、パニックになる人だからね。とにかく電話はすぐしてみますけど」

文春の2018年10月25日号には、当時、記者が南村氏に取材したさいの様子が次のように書かれている。

「業者から口利きの金を受け取ってトラブルになっていると聞いたが」と問うと、南村氏自らX氏の名前や相談内容、会社の内情などを記者に語りはじめたのだった。…X氏から「交通費と日当以外、受け取っていませんよ」などと、金銭を受け取ったことを否定していた。

南村氏からX氏のことを聞いた記者は、すぐにX氏に取材をしたはずだ。そのさい、南村氏が「金銭をもらっていない」と記者に語ったことを知り、X氏が片山氏に電話をかけたという流れだろう。X氏にすれば、100万円をもらってないように言い、青色申告の取り消しについて力になってくれなかった片山事務所に対し腹の虫がおさまらなかったとみえる。

片山氏は南村氏のせいにして、「とにかく電話してみます」と空っとぼけたのに違いない。そればかりか片山氏は以下のようにX氏と出会ったことが自身の不幸であるかのごとき言い方をしたのである。

「Yさんのご紹介(電話では実名。元事務所スタッフ(がなかったら、(私も)Xさんと会うこともなかったんで」

X氏に100万円の件を追及されたらしい片山氏の声。

「(南村氏は)私にそんなものは実費だって言ってましたけどね。私はちょっと金額としてお高いんじゃないですかということだけは(南村氏に)言いましたから、当時、はい」

文春オンラインでは、事務所関係者が明かした話として次のような内容が報じられている。

「当時、片山氏はX氏の仲介者にも『上手くいけば、1億だってかかる話ですよ』などと話していた。100万円はあくまで手付金で、国税への口利きが上手くいけば、X氏から片山事務所に1億円入るという意味だと思います」

1億円はオーバーとしても、片山サイドとしては、国会議員にものを頼むのに100万円くらいは挨拶程度のもので、上手くいかなくてもあきらめてもらうしかない。上手くいったら、成功報酬をたっぷもらいますよ、という“相場観”があるのだろう。もっとも、それが国会議員の通常の感覚だとしたら由々しきことである。

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