【書評】元中国人が暴露「史上最大のウソ集団」中国共産党の実態

 

第5章「中国3大嘘つき列伝」では、易姓革命を正当化した大偽善者・王奔、「裏切り人生」の男の末路・袁世凱、本心を隠し続けて出世の後に破滅した、毛沢東の軍師・林彪が並んでいる。それぞれものすごい嘘つきであることを知ったが、リアルタイムで覚えているのは林彪だけだ。「嘘をつかなければ大事を成すことはできない」が座右の銘、心にもない毛沢東礼賛を繰り返した貧相な男だ。

2015年9月3日、中国は北京で「抗日戦争勝利70周年記念式典」を開催し、盛大な軍事パレードを行った。習近平は「14年の長きに及ぶ非常に困難な闘争を経て、中国人民抗日戦争の偉大な勝利を収めたことで、世界反ファシズム戦争の完全な勝利を宣言し」とか言ってるが、確か60周年記念式典では「8年にわたる抗日戦争」と言っていたはず。いつのまにか14年に大幅水増しされていた。

しかも、このとき日本軍と戦っていたのは共産党ではない。中華民国国民政府である。日本が負けたのは中国ではなくアメリカだ。アメリカに負けたので、形式的に連合国軍に全面降伏することになり、連合国の中にいた中華民国にも降伏したことになった、というだけ。「中華人民は日本軍国主義の完全な失敗を宣言したまったくの虚言。「世界反ファシズム戦争」とはお笑い草である。

だって通常「反ファシズム」といえば、対ナチスドイツを指すことが常識だから。それは日中戦争と何の関係もなく、ヨーロッパ戦線で中華人民が戦うことはなかったし、中国にも中国共産党にも、何の関係もない。日中戦争の中心は国民政府と蒋介石であり、共産党の八路軍は専らゲリラ戦の非正規軍だった。

その後、国民政府の蒋介石に攻撃され、1万2,500kmの逃亡行軍の末、延安に逃れたという不名誉を「長征」と名付けた。抗日戦争を主導し、日本軍国主義を打ち破ったというのは中国共産党の歴史捏造である。そして抗日戦争の犠牲者は年を追う毎に増えている。1950年に1,000万人、85年に2,100万人、95年に3,500万人になった。45年間で3.5倍増とは(笑)。そして根拠なき経済損失の額。

「習近平政権において、共産党一党独裁の正統性を強調するためには、反日抗日をテコにするしかないのである。そのため、抗日の被害を極大にし、それに打ち勝った中国共産党という神話を強化せざるを得ないのである」。いまも中国では嘘の拡大再生産中、習近平の功績が極度に強調され神格化も進行中だ。いまわたしは潮漫画文庫・横山光輝『三国志』全30巻を楽しんでいる。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

日刊デジタルクリエイターズこの著者の記事一覧

デジタルメディアで活躍する現役クリエイターたちのコラムで構成されている本格派。総発行部数約16000! 真のクリエイターを目指している方からデジタルに関わる方まで、すべてに向けて発行中!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】 』

【著者】 日刊デジタルクリエイターズ 【発行周期】 ほぼ日刊

print
いま読まれてます

  • 【書評】元中国人が暴露「史上最大のウソ集団」中国共産党の実態
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け