帯状疱疹の予防
子供の頃に水痘にかかった人では、帯状疱疹は非常によくみられる病気です。世界の人口全体では、約4分の1が生涯の間に帯状疱疹を発症します。発症した人の年齢層をみると、約3分の2が高齢者であり、高齢になればなるほど症状も強くなります。
そこで予防が大切となります。このウイルスに対する、不活化された生ワクチンは、以前から開発されており、主に子供に対して接種されていました。このワクチンは、水痘にかかったことのある成人に接種しても、帯状疱疹の発症をある程度予防できることがわかっており、50才以上の成人に対して接種を導入する先進国が出てきました。しかし、人類は再び課題に直面します。70才以上でこのワクチンの効果は下がること、そして生ワクチンのために、免疫不全者には接種できないことです。
そこで近年登場したのが、遺伝子組み換えサブユニットワクチンです。最近の研究で、この新ワクチンが、古い生ワクチンよりも予防効果が大きいことが判明しました。古いワクチンよりも、局所の皮膚反応は強く出るようですが、今のところ大きな副作用はないことがわかっています。
この新しいワクチンは日本でも認可されています。この新ワクチンは、原則、二回接種が必要です。50才を超えた私自身もこのワクチンを接種する予定ですが、中高年の皆さんに広く勧めたいと思います。あの帯状疱疹の辛い痛みで苦しむ人が少なくなるようにできればと思います。
文献
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