米中貿易戦争による景気の後退や韓国海軍によるレーダー照射事件など、周辺国との問題山積な我が国ですが、同程度の大問題・少子化もこれ以上放置することは出来ないようです。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では、著者で国際関係アナリストの北野幸伯さんが世界的戦略家の言を引きながら、「加速する日本の人口減対策」に本気で着手すべきと警鐘を鳴らしています。
日本の人口は1年で〇〇万人減った…
「日本最大の問題はなんですか?」と聞かれれば、私は「中国問題です」と答えます。なんといっても隣の大国は、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない!!!」と宣言している。全国民必読完全証拠はこちら。
これは、どう考えても「大問題」でしょう??? 新聞を注意ぶかく読んでいると、「中国が日本の領海に侵入した」というニュースがしょっちゅうでています。あまりにも頻繁で、テレビで毎回ニュースにならないほどなのです。ですから、中国は「本気だ」ということを一瞬たりとも忘れてはいけません。
「次の大問題をあげやがれ」といわれたら、「少子化」をあげるでしょう。これ、「あまり問題じゃない」という人もいるんですね。実をいうと、私自身もそれほど気にしていませんでした。ところが、新刊『日本の生き筋ーー家族大切主義が日本を救う』にも書きましたが、2年前のあるできごとで、「事の深刻さ」を実感したのです。
私の実家は、長野県第2の都市松本市にあります。松本駅から徒歩圏にある。2016年の夏、私はあるきっかけで、「町内に50歳以下の人が一人しかいない」(!)ことを知りました。それは、女の子で小学校1年生である。つまり8歳から49歳までの人は、町内に1人も住んでいない。そして、子供の頃あったお店はほとんどつぶれ、町内が「スカスカ」になっている。
私は思いました。「長野第2の都市松本の中心がこんな状態なら、他の地方はもっと大変なのではないか?」調べてみると、本当にものすごい勢いで、人口が減っている。最新の数字を見てみましょう。産経新聞12月21日から引用します。
厚生労働省は21日、平成30年の人口動態統計の年間推計を発表した。出生数は明治32(1899)年の統計開始以来、最少だった前年の94万6,065人(確定数)を下回り、92万1,000人で過去最少を更新した。出生数が100万人を割るのは3年連続で、少子化に拍車がかかっている。
なんと1899年以来最小!つまり、ここ119年間で、生まれた子供の数がもっとも少なかった。
死亡者数は前年の134万397人を上回り、136万9,000人で、戦後最大だった。死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は44万8,000人で、平成19年から12年連続の人口減。昨年の自然減は39万4,432人で、40万人を超えるのは初めてとなり、人口減少も浮き彫りになっている。
(同上)
ここ1年で、人口は44万8,000人減った。これって、どのくらいのインパクトなのでしょうか?たとえば香川県の県庁がある高松市の人口は、約42万人。富山県の県庁所在地・富山市は、約41万7,000人。長崎県の県庁所在地・長崎市は、約41万6,000人。岐阜県の県庁所在地・岐阜市は、約40万2,500人。
日本の人口は、過去1年間で、「県庁所在地である地方の中核都市が一つ消滅する」ほど減っているのですしかも、恐ろしいことに、人口減少のスピードは加速しています。ちなみに鳥取県の人口は、約56万人です。後2~3年したら私はメルマガで、「日本の人口は、毎年一つの県が消滅するほど減っている」と書かざるを得なくなるでしょう。