飛行機が4時間遅れても、気の短いニューヨーカーが怒らないワケ

 

僕の中では、老後の楽しみにとっておこうと思っていた場所でした。還暦過ぎてからの方が楽しいんじゃない?と。えらい偏見だと、ハワイ在住の人に怒られたりもしました。それでも、なかなかアメリカ在住者、特にニューヨーク在住の僕にとっては、同じ国内でも、近くて遠いハワイでした。だって飛行機で11時間も要するから!日本からだと8時間くらいなのに!

11時間、飛行機に乗せられるくらいなら、大好きなNIPPON!に帰るっつーの。ハワイに今まで足を運ばなかった理由は、これがいちばん大きかったかもしれません。いや、いちばん大きな理由は、今現在、僕が国外には出られないステータス中であるということでした。渡米して18年。やっとグリーンカードを申請しています。グリーンカードの申請期間中には、一定期間、OVERSEA(海外への渡航)が出来ない期間があります。そこにちょうど当たってしまった。

どうあれ、最初から、メキシコやカリブ諸国など、例年のリゾート地には行ける身分ではありませんでした。であれば、フロリダに行けばいいじゃないか!同じ国内のあったかリゾート地であれば、マイアミでも、タンパでも、オーランドでも、デイトナでも、キーウエストでもいい。フロリダには、数々の避暑地が点在します。事実、2000年代は、毎年お正月といえば、これらに行っていました。それも、もちろん彼女の希望。まだ子供がいない時から、ディズニーランドだの、マイアミビーチだのに何年も通っていた時期もあります。

実際、この国に来てから僕の中の「お正月」のイメージは、これらフロリダ州にあるリゾート地でした。同じ国内。グリーンカードも問題ない。事実、ニューヨーカー他、東海岸に住む人間の避暑地はフロリダと相場は決まっている。飛行機で5時間くらいで到着するしね。ちなみに、日本だと端から端まで行ける飛行時間5時間は、この国では「近所」です。

なにが悲しくて3歳児の言葉の通じないチンパンジーとオランウータンみたいな双子を連れて、11時間も飛行機に乗らなきゃいけないのか。わざわざ大陸を横断して、どっちかというと日本の方が近い離れ小島に行かなきゃいけないのか。フロリダにしよう。3時間弱で行ける。そう変わらないって。どうせ海だよ。同じ砂浜に同じ太陽。そう説得する僕に、いや、ハワイじゃなきゃダメなんだと頑なな妻。

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