飛行機が4時間遅れても、気の短いニューヨーカーが怒らないワケ

 

日本の人によく、ニューヨークの地下鉄は24時間で便利ですよね、と言われます。はっきり言って24時間ではないです。いや、いちおう24時間だけど、きったないホームでいつ来るとも知れない、ひょっとしてこのまま来ないかも知れない、車両を平気で1時間くらい待たされます。全然、便利じゃない。

思いっきり数時間後の飛行機のことを忘れて、なんとか地下鉄で最寄りのグランドセントラル駅に到着したのは、すでに明るくなった頃でした。地上に上がるとともに、大量の留守番電話のお知らせ。妻から「今どこ!?」とのメッセージ。なにをそんなに慌ててんだよ、高校生じゃあるまいし…と電話をかけ直そうとしたところで思い出しました。あら?今日から、ハワイ…?

数時間後にフライトが迫っている頃に、帰宅。すでに荷造りと着替えをした家族が待ち構えていました。すぐにタクシー乗るよ!と言われても、え、シャワーも浴びれないの?そんな感じでスタートしたお正月旅行。我ながら、先が思いやられます。

で、ギリギリ空港に間に合ったにも関わらず、あったりまえのように、飛行機は遅延。それがこの国の常識です。ホノルル空港までの直行便は、1日1便しか出ていないのだとか。大丈夫なのか?ちゃんと飛ぶの?偉そうに言う僕に、何も荷造りもしていない僕に、前日どころかフライト直前まで遊んでいた僕に、妻は無視という方法で抗議しているようです。

やーああっと、搭乗できた頃には予定より2時間遅れでした。で、一旦座席についても、なかなか離陸しません。そこから1時間くらい経ってでしょうか、「整備に問題箇所があったため、この機体は飛ばないから、全員、やっぱ外に出ろ」と言われます。アナウンスで。おおげさじゃなく、本当にこんな言い方です。

なんなんだよ、もう予定より3時間遅れてるぞ!と怒り出す人もいません。もう、みんな多分、慣れちゃってる。もちろんスタッフ一同、申し訳ございません、なんて顔してるのも皆無です。それでも「フードチケットを配りま~す!」と、スタッフが口頭で叫んでいます。遅れたお詫びの空港内レストランで使用出来る食券です。マイクも使わず。何時代だよ。日本の方がずーっとサービス業は進んでいます。

で、長蛇の列。航空会社のスタッフたちも和気アイアイでおしゃべりしながら、処理してるので、一向に列は短くなりません。遅れたくせに、チケットを受け取りに来た客に、ID見せろ!といちいちチェック。それは仕方ないにしても、鉛筆で手書きで、名前の入ったリストに横線引いてる。だから何時代だよ。名前が載ってるなら、IDを見せる必要性はないんじゃないか。そう提案しても、余分に物事をひとつ考えさせるだけ。パニックになる恐れがあるので、余計に時間がかかるかもしれない。

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