飛行機が4時間遅れても、気の短いニューヨーカーが怒らないワケ

 

エクセプショナリズムとは

これは、長年住めば住むほど、身にしみて感じます。もう、どうしよもないくらい(笑)どんなに口で「世界は平等!差別反対!」と言ったところで、階段の上から言ってます。それでいて逆に日本には「欧米コンプレックス」という言葉がまだある。どんなに口で「肌の色なんて関係ない!同じ人間じゃない!」と言ったところで、シャンプーのCMはブロンドブルーアイが出演しています。

その感覚をどこでどうやって彼らが持ったのかはわかりません。戦争で勝ったからというのが最大の理由のようには思えない。それは多分(ここから先は僕の推測なのですが)かつて世界中から不遇な人たちが渡ってきた移民で出来上がった国だから、だと思います。最終的なゴールの地

母国の封建制度や、貴族制度から逃れて、自由の民主主義の国を自分たちで作ろう!っていうのが始まりだからだと思います。イタリアやアイルランドの古臭い風習や政治が嫌で、飛び出してきた先が、遅れているわけがない。あらゆる不都合から脱却して新しい世界を作った。それがアメリカ合衆国。なので最先端に決まってる

ましてや、地図の端っこの島国がここより進んでるわけがない。その感覚こそがエクセプショナリズムなんじゃないかなぁと思うのです。特に中西部、南部の人たちは、リアルに日本人は未だ着物とちょんまげで生活していると思っている人が結構な数でいるらしいです。

だって日本ですらガラパゴス化と言われて久しい。ひょっとしたら、日本の中でも、いまだ「モンゴル人はみんな民族衣装を着て、大草原でキャンプみたいな生活をしてる」「エジプト人の移動手段はラクダオンリー」と思っている人だって存在するかもしれない。さすがにそれはないか。

実際、ドバイ旅行から帰ってきた際、友人に「あっちってケータイあるの?」と聞かれたことがあります。日本みたいなちっちゃくて、超先進国ですらそんな輩がいるのです。アメリカのようなデッカくて、一部後進国なら、なおさら世界を知らない。知る必要がない

そう。知らないんです。彼ら。日本のサービスを。もちろん、知っている人も多くいる。でも、それと同じくらい、知らない人がいる。アメリカ人の多くがパスポートを持っていないのは有名な話です。全国民で生涯海外旅行をまったくせずに死んで行く人は80%を超えるそうです。10人中8人以上は母国以外を実際に見たことがない。結構すごい数字だと思います。

でも、カリフォルニア州ひとつで、本州以上にデカイ国土を持つ国。確かに外国なんて行ってる場合じゃないかもしれません。海外旅行が趣味だなんて、ちょっと変わった人と思われるかもしれない。隣の州に行くこと自体が大冒険なビッグカントリー。日本なんて中国の一部と思われてる人もものすごい数でいると聞きます。

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