飛行機が4時間遅れても、気の短いニューヨーカーが怒らないワケ

 

なぜなら、世界的に見ると圧倒的に日本のサービスの方が稀だからです。世界に誇れるOMOTENASHIは、行き過ぎて、少し歪(いびつ)に見られるかもしれません。よく聞く、グローバルすたんだーど、って基準から見ると、日本の方が離れている。

でも、だからって、僕は日本式の方が好きです。お客としてなら、当然です・笑でも、それは同時に、自分がサービスを提供する側になっても、同様のサービスを求められることになります。

どうして気の短いニューヨーカー達が、こんな仕打ち(笑)を受けて、怒らないのか。渡米してからずっと不思議でした。でも、最近やっとわかりました。彼らは、自分が働いてる場合、つまりサービスを提供するシーンになっても、あまりカスタマーにぐちゃぐちゃ言われたくないからです。なので、自分がカスタマーになった際にも、そう細かいことは言えない

失礼さえなけりゃ、SO-SO(なぁなぁ)で行こうぜ、ブラザー!なのだと思います。なので、今回の遅延シーンも、苦笑いはしても、結果、誰も声を荒げませんでした。日本のお笑い芸人さんがよく言うサービス業に対しての武勇伝「どないなっとんねえーん!こっちが客やでえ!」もついぞ見ることはない。

そう考えると、結構、日本の方がハードボイルド。必要以上のおもてなしは、自分がサービスを提供する場合でも、同様のクオリティーが求められます。なので、日本の人の方が結果、ストレスフルなんじゃないかなとすら思えます。

だったら。4時間くらいの遅延くらいでカリカリするの、やめよ(笑)そう思っちゃう自分もいるわけです。いいか、悪いか、別にして。ただ。それとは別の意味で、少しだけニューヨーカー、というかアメリカ人が改善すべきことがあります。

このあまりにひどい接客態度が、仮りに「フレンドリーの証」だとしても。自分がサービスを提供する側になった時の苦労を予見して、ジェントルに(優しく)なる必要があるとしても。それでも、そのうえで、アメリカ人は知るべきことがある。

Exceptionalism=エクセプショナリズム、と読みます。特権主義とか、特別主義とか、例外主義とかに訳されます。アメリカ人がほぼ全員持っている、潜在的に持っている感覚です。つまり「結局、アメリカが世界のリーダーだろ。アメリカが一番上じゃん」という感覚。アメリカだけは別格なんだよ、という潜在意識です。

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