飛行機が4時間遅れても、気の短いニューヨーカーが怒らないワケ

 

こういう話をすると「でも、リベラルなエリア、つまりニューヨーカーやカリフォルニアンは別ですよね」と言われます。つまり都市部の人は世界を知っていて、無知なのは、中西部や南部の田舎の人たちだけ、だと。確かに青のエリアと呼ばれる民主党エリアは、赤のエリアの人たちよりも知識はあると思います。世界を多少なりとも知っている人たちが多いのは事実。

ただ、前述したエクセプショナリズム、に関しては、実はニューヨーカーの方が強いのではないかと思います。話をしていて実感します。以前、僕の英語のプライベートレッスンの先生だった30代後半のニューヨーク生まれの女性は、やたら「ニューヨークはすべてがある街なの!」と口癖のように言っていました。彼女はイギリス人やフランス人すら下に見ている発言をしていました。

さすがに面と向かって僕には言わなかったですが、イギリス人やフランス人すら見下しているので、日本人や中国人は、なんならペットくらいに思っていたかもしれません・笑(もちろんそうじゃないニューヨーカーもいっぱいいることを念を押しときます)やたら「肌の色や人種なんか関係ないじゃない!みんな人間は平等よ!」と涙ぐんだ目で言っていたので、間違いないと思います(笑)

僕の知り合いで、ニューヨーク生まれの男性と婚約して、初めて彼の家にご両親に挨拶に行った際、彼の母親にも、ものすごくやさしく歓迎された女性がいます。で、帰り道、彼に「よかったね。僕の母は教養があって、差別なんてしないんだ。君が日本人であっても関係ない。南部の人たちだとそうはいかなかったはずだよ。僕の母でよかった。日本人だからって差別しないから安心してね」と優しく微笑まれたとか。直後、婚約解消を彼女から言い渡しました。

エクセプショナリズムは、自己完結型、です。ネットの住人にも同じことが言えるかもしれない。知らないことを知らない。なので、間違ってるわけがない。自分たちが正しい。他を知らないから。リビアの砂漠の民に「日本人は魚を釣って、その場で生で食べるらしい!しかも大豆ベースの塩辛いソースと、WASABIという激辛な刺激物と一緒に!」と気の毒に思われているかもしれない。

なので、結局、僕の結論は、いつもどおり、変わりません。ネットの動画で自己完結する前に、世界を見てみよう。実際の目で。ただの観光旅行でもいい。観光名所だって構わない。パックツアーだっていい。

アメリカの飛行機会社の機内食。定番のパサパサのプレッツェル。なんだよ、この木の枝みたいなマッズイお菓子は。こんなの食ってるのアメリカ人?草加せんべいの方が350倍美味いじゃん!そう思えるだけで価値があります(笑)

ガム噛んで目すら合わさない搭乗口カウンターのニューヨーカースタッフを見て、そんなことを考えた行きの飛行機でした。

image by: Pressmaster, shutterstock.com

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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