最後に、大結論=感動「+α」について。この論法における話の締めは、最初の大結論を繰り返すだけ、と始めに書きましたが、繰り返すだけにとどまらず、+αの言い換え、言い直しがあると、ぐっと話に奥行きがでます。
以前の記事でも、表現はふたつ(以上)並べるのが効果的、という話をしましたよね。上記の例で言うと、最初に、「AがAじゃなかったので、要注意!」と表明したとしたら、話の締めでは、「AがAじゃなかったので、要注意!いや、というか警報発令レベルですよ」と、+α。
要注意と警報発令レベル、ふたつの表現が並んだことで、要注意ぐらいじゃなく、警報が出るぐらい、差し迫っているのか…と、そのふたつの表現の間に、聞き手の想像の余地ができるわけですね。こういった、+αを付け加える話し方は、話し手の、最適な表現を追求する姿勢の表れでもあります。
最初に、「これは要注意…」と思ったことでも、この論法で1~2~3と、客観的な説明から主観を増やし、持論を展開していく中で、「要注意という表現は物足りないな…」と思いなおすようなこともあるでしょう。そういう時には、後から+αを付け足せばいいだけ。
結果的に、聞き手のイメージを膨らませ、話に奥行きを与えるわけですから、一石二鳥ですよね。話す内容や構成を始めからガチガチに固め過ぎると、こういう柔軟な対応がしにくくなるものです。
そしてこういう柔軟な対応の中にこそ、聞くに値する情報や魅力が含まれます。だからこそこのような、フレキシブルに、後からなんとでもなる話し方・論法を身につけると、強いんですよね…。
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