医師が解説。冬は授業開始を1、2時間遅くすれば成績が上がる理由

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ようやく日が長くなってきましたが、東京と沖縄で日の出時刻にどれほどの違いがあるかご存じでしょうか?冬の時期で30~40分、夏は1時間以上沖縄の方が遅いのです。この「時差」が沖縄の人たちの健康、さらには仕事や学業にも悪影響を及ぼしていると指摘するのは、メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』の著者で、沖縄在住の現役医師・徳田先生です。徳田先生は、特に日の出が遅い冬の時期が問題だと、始業時間の変更もしくは国内での時差の導入を提唱しています。

私が冬に体調不良になる理由

私がこの記事を書いている日は2019年1月12日です。真冬です。真冬といっても、私が住んでいるのは沖縄ですから、全然寒くありません。日中の気温は25度近くまで上がりますし、最低気温も20度程度です。

しかし毎年訪れる冬、私はいつも体調を崩してました。風邪やインフルエンザにかかるわけでもなくです。それがなぜなのか、最近になってわかりました。冬になると睡眠時間が短くなるからでした。そしてその睡眠時間が短くなる原因が、冬の日の出が遅いからだ、ということに最近気づくことができました。

2019年1月12日の沖縄の日の出と日の入りの時刻を見てみましょう。日の出は7時29分、日の入りは18時14分でした。一方で、東京の日の出は6時49分、日の入りは16時47分でした。東京と沖縄は同じ日本のなかにありますが、東京に比べて沖縄の日の入りは1時間30分も遅いのです。そして日の出は40分も遅いのです。

東京と沖縄の時差

日の出の時刻と睡眠時間には密接な関係があります。人間の脳内には体内時計があります。体内時計の1日は24時間15分程度。つまり、体内時計は24時間周期ではなく、毎日約15分遅く進むリズムとなっています。人間が眠る時間帯は体内時計のみに従うと徐々に遅れていくので、毎日この時計をリセットします。朝の日光を体感して体内時計をリセットしているのです。

2019年1月12日、東京の人々ではこのリセットが6時49分に行われましたが、私を含めた沖縄の人々では7時29分に行われたのです。人間の脳の本格的な活動のスタートはリセット時刻から少なくとも2時間後になります。東京の人8時49分に本格的な脳活動が開始することができます。沖縄の人は9時29分に本格的な脳活動を開始すべきなのです。

ヨーロッパの国々では、日の出の時刻に合わせて仕事と学校がスタート時刻の設定をするのが当たり前になってきています。医学的にみると、東京では8時50分に仕事や学校がスタートしても良いと思いますが、沖縄では9時30分でよいと思います。それが人間の体内時計に適合した脳の活動スタート時刻なのです。

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