小4虐待死の無念。子を守れない日本社会は自らも救えず崩壊する

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後を絶たない児童虐待事件。報道を見る限り、行政側が対応遅れの責任逃れに終始しているだけの様にも感じられます。AJCN Inc.代表で公益財団法人モラロジー研究所研究員の山岡鉄秀さんは無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』の中で、警察との連携がスムーズな豪州の事例や、地方都市で教育委員を務める知人から直接聞いた現場の状況を紹介するとともに、児童虐待事件の再発防止を目指す具体的改善点を記しています。

栗原心愛ちゃんはオーストラリアなら救えたか?

全世界のアメ通読者の皆さん、山岡鉄秀です。

千葉県野田市で小学校4年生の栗原心愛ちゃんが1月24日に虐待で死亡してから、ちょうど1か月が経とうとしています。

この事件では私もかなり精神的ダメージを受けてしまいました。なぜかというと、もちろん、心愛ちゃんが可哀想でいたたまれなかったのですが、それに加え、日本社会の劣化ぶりがとうとう止められないレベルまで来たかな、と感じて暗澹たる気持ちになってしまいました。

こういうことを書くと、決まってこう反論してくる人達がいます。

昔は虐待がもっとひどかった。今は光が当たるようになっただけだ」
児童相談所は一所懸命やっているが、圧倒的にマンパワーが不足しているからだ」
システムが悪いから個人を責めても始まらない」

それぞれもっともらしく聞こえるし、間違いではないのですが、そんなことを言っていても問題の本質をぼやかすだけです。

今回の事件に関しては、様々な分析がすでに報道されています。行政全体として人手不足なのは明らかです。しかし、なぜ心愛ちゃんを救えなかったか、その最大の理由をひとことで言えば、結局大勢の大人たちが心愛ちゃんの父親という異常な男が怖くて逃げることを優先したからです。

体を張って子供の命を守ることより保身を優先したのです。私はそれを強く感じます。

アンケートを渡してしまった野田市教育委員会の矢部雅彦次長をはじめ、ひとりとして「後悔に打ちひしがれて涙している顔」を見ません。

心愛ちゃんを両親のもとに戻す最大のミスを犯した際の責任者である奥野智禎前柏児童相談所長もまるで他人事のように論評していました。

報じられているとおり、致命的なミスが何度もありました。虐待リスクが高いのに心愛ちゃんを両親の元に返したのも、行うべき家庭訪問をしなかったのも、虐待のサインである長期欠席が始まっても何のアクションも取らなかったのも、みんな父親を避ける方を優先したと私は感じています。

もちろん、システムにも問題があります。しかし、たとえ現行のシステム下でも、ひとりひとりが決められたとおりに行動していれば、間違いなく防げた悲劇でした。

なぜやるべきことをやらなかったのか?

まさに矢部雅彦氏がある意味正直に口にしたように、父親の恫喝に屈したのです。

しかし、もともと幼い子供を虐待死させる親がまともなわけがありません。包丁を振り回すような奴だっているはずです。

さらに週刊文春の報道によると、父親の祖父母もかなり問題があるようです。心愛ちゃんの母親も共犯で逮捕されました。

異常な大人のオンパレードです。

特別な訓練も受けておらず、子供を守ることに特別の情熱を持ってもいない公務員に対応させれば当然限界が生じます。

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