小4虐待死の無念。子を守れない日本社会は自らも救えず崩壊する

 

ここで私の脳裏をよぎるのが、この事件がもしオーストラリアで発生していたらどうなっただろうか、ということです。

そこで、友人のオーストラリア人弁護士に質問してみたところ、次のことがわかりました。

シドニーがあるニューサウスウェールズ州(NSW)では、教師、医者、看護婦など、子供に接する機会がある全ての職業に就く人には、子供の虐待を察知したら直ちに担当機関に報告する義務が法律で定められています。そして、報告を受けた担当機関は警察と連携しなくてはなりません

今回、心愛ちゃんの「父親に暴力を振るわれていると訴えるアンケートを見た小学校は柏児童相談所に報告し、児童相談所は心愛ちゃんの一時引き離しを決めます。

オーストラリアならこの時点で警察の介入があります。児童虐待は刑事犯罪ですから、アンケートのような明確な根拠があれば警察の捜査対象となり、この時点で父親を逮捕できた可能性があるわけです。

今回はその決定的な機会を逸したままもてあまし、最終的に心愛ちゃんを見捨てたのです。

日本では児童相談所の権限を強化し、児童相談所長が必要があると認めるときは、警察署長に対し援助を求めることができることとされているようですが、それでは到底対処できません

日本でも報告を義務化し警察の即時直接介入がなされるようにすべきです。児童相談所に権限を持たせたところで、人出も能力も足りていなければ意味がありません。今回のような悲劇の再発を止めることができないでしょう。

さらに、今回の栗原家もそうであるように、問題がある親は行政の干渉を避けるために引越を繰り返します。そのたびに、役人が出てきて

引継ぎがうまくできていませんでした

と無表情で弁明するのは心底見飽きました。

総合セントラルデータベースを作って、たとえば問題家族が沖縄県糸満市から千葉県野田市に引っ越した場合は、野田市にアラートを立て、糸満市が入力したデータが全て自動的に移行されるようにすべきでしょう。紙の報告書に頼っていたら非効率極まりません

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