ブランド活性化の重要性
ブランドとは、顧客(候補含む)から見たときに、自社を他社と区別させることを目的とする。その中身は、認知され、想起されうること、見た目の価値があること、顧客層との関連性があること、そして、顧客の忠誠心が強いこと、が挙げられる。
したがって、ブランドを育てるということは、顧客がロゴやネーミングに触れた瞬間に、競合他社よりも「価値がある」と思わせるように、マーケティング的な努力をし続けるということだ。
認知し、好感触を持ってもらうために、イメージカラーやロゴなど基本の部分は絶対に変えず、常に同じものを見せることで、顧客層の心に「焼印」をつけることを第一義とする。一方で、顧客層はわがままなので、同じことを続けるだけでは、飽きられてしまう。したがって、新しい価値を付け加えていくことが重要だ。
私が会社員時代に担当していた、ラッキーストライク、というブランドも、ブランドのカラーである赤は、絶対に変えることはないが、市場がライト嗜好に変わっていくことに合わせて、赤そのものの色を、徐々に明るくしていったりしていた。ブランドを長くファンに愛してもらうためには、このような活性化が必要だ。
例えば、カミソリのジレットで言えば、2枚刄だった替え刃を、3枚、4枚と増やしていくことも、ブランドの活性化に当たるし、老舗ブランドのバーバリーが数年前に、若年層に向けてコミュニケーションを取ろうとし、俳優のエマ・ワトソンを起用することで、イメージの若返りを図ったことも、ブランドの再活性化だ。
今回の、スターバックスリザーブロースタリーの市場導入も、その背景には、伸びてきたカフェ市場が飽和に近づいたこと、競合他社も多く参入してきたこと。コンビニの100円コーヒーのような、新規参入が現れたことなど、自らが作り上げた市場の拡大に伴って、業界、市場ともに大きく変わったことが挙げられる。
この変化に伴い、スターバックスもまた、自社ブランドを新しいステージにあげようとしているのが、この新業態と言えそうだ。常に新境地を開くための企業努力をする点、ブランドを構築するのは、自店舗で、ということに対するブレない姿勢など、見習うことが多いケースと言える。
image by: Joe Mabel [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons