歪んだ現状。誰が日本を高齢者が働かざるを得ない国にしたのか

 

話をしていると、配送用の駐車スペースがないマンションは苦労する。留守が多くて再配達がたいへんだ。水などの重い荷物は体にこたえる。雨で床が濡れると滑りやすいマンションがあって危ない。そんな配送の苦労話が…。実際に、滑って転んだときに脚をけがして、片足を引きずるように歩いておられます。

ご本人の事情もあるのでしょうが、後期高齢者の方に体力がいる安全への注意力も必要な配送の仕事を頼っている…そんな現状を見た気がしました。

自営の請け負いなので、80歳ぐらいまでは今の仕事を続けるようです。車の運転中も、荷物を運んでいるときも、大きな事故がないことを祈りたいです。

4月から、正式に、14分野で外国人の単純労働者の受け入れが始まります。その14分野の中に運送業は入っていませんから、今後も配送の人手不足と高齢化は止まらないでしょう。せめて、再配達を減らす協力をしなくては…と思いました。

マンション管理の現場でも人手不足高齢化は進んでいます。清掃員さんの年齢も高くて、暑い日、寒い日など、申し訳ない気持ちになります。マンションの清掃業も、外国人労働者受け入れの14分野に入っていませんので、今後も担い手の確保は難しいのです。

14分野の中に「ビルクリーニング」は入っていますが、作業内容に、「住宅(戸建て、集合住宅等)を除く建築物」という条件がついていますから、マンションの清掃に若い外国人労働者を…というわけにはいきません。したがって、この分野も、人員の確保が難しくなります

今後、ビル清掃に、外国人が入ってくれば、その分の人材をマンションの方にまわしてもらうことができるかもしれません。でも、そのためには、それ相応の費用を支払うことが前提です。それでも高齢化は避けられません。こちらは、AIロボットによる清掃が急速に進むでしょう。

「令和」の始まりと共に、いろいろなことが大きく変わろうとしています。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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