村人の名字が3つしかない村から学ぶ、若者が住みやすい街づくり

 

そういった歴史があって、今も、ここに暮らす人たちは、みんなとても仲がいいのです。村の人間同士の結婚も多く、高等学校がないため、中学を卒業すると一旦村を出る子供たちが、また、この村に戻ってくる確率が高いのです。戻ってくる理由は、この村が好きだから

こんな豪雪地帯の村なのに、若い人がけっこういて、子どもたちの数も多いので、高齢化が極限まで進んだ過疎の村のイメージとは違い活気があります。これは、山奥の村としてはとても珍しい現象で、奇跡の村と呼ばれていると紹介されていました。

今、この村は、尾瀬の入口の村として、重要な位置にあり、観光のため、土地を売ってほしいという外部の働き掛けもあったようですが、この村には、村民以外には土地を売らないという、暗黙の了解があると言います。村人のきずなを大切にしたいという思いからだと思います。

厳しい環境の中でも、後から来た人たちを受け入れ、分け与え、縁をつないで、力を合わせて生きてきた…その思いが今の人々の心の中にも引き継がれている…ということに感動しました。

若者がここに残ろうと思うのは、違うものを排除しないで受け入れ同化して共に生きようというマインドが若い人たちにとっても安心で済み心地がいいからなんだと思います。排他的で、ひとつの価値観に縛ろうとすると、若者は寄りつかなくなります。

マンションを100年持たせようという時代です。次世代の若者が住み心地がいいと感じるのはどんな文化があるコミュニティなのかを考えるのにとても参考になりました。争わないで、縁をつないで、力を合わせて生きる…学ばせてもらいました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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