普天間問題のほうも同じです。住宅密集地に囲まれた普天間基地を移転しないと、墜落事故などで大惨事が起きたら日本の政権は吹き飛び、日米同盟にもひびが入りかねません。だから日米両政府は返還に合意したのです。
そこでやることは決まっています。本格的な移設先が決まろうが決まるまいが、まずは仮の移駐先を確保して普天間の回転翼機(当時はヘリコプター、現在はオスプレイ)をひと飛びで移駐させ、すぐさま普天間を閉鎖するのです。
それが、いつできるかどうかわからない辺野古のV字滑走路案が完成したら普天間の航空機を移駐させられるから、それが危険性の除去になると、政府が公言しているのです。
おまけに沖縄県側までが、2月24日に実施した県民投票で辺野古案に対する賛否を聞いたわけですから、普天間問題はいつの間にか「辺野古問題」に変質したといっても間違いないでしょう。これに疑問を投げかけるマスコミもないというのは、一体どうしたことでしょう。
木を見て森を見ず。ちゃんと意味を考えながら、この言葉を口にしたいものです。(小川和久)
image by: Sonata [CC BY-SA 3.0], ウィキメディア・コモンズ経由で
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