ばら撒くなら「還元ポイント」を。人気コンサルが説く景気刺激策

shutterstock_1202254711
 

読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「景気刺激策としての現金ばら撒きをどう思う?」という質問が届きました。永江さんは「お金の無駄」とバッサリ。本当に効果が上がる景気刺激策は、持っているのに使わない人たちを動かすPayPay方式だと提言します。

「日本人全員に10万円プレゼント」はあり?

Q. お祝いムードを高めるために日本人全員に現金10万円プレゼントはどうでしょう?少なくとも気分は最高!全額が消費に回れば10万円以上の経済効果があるのでは?貯金でなく消費させる工夫は永江さん任せで(笑)

これに絡めて、振込先はマイナンバー登録済口座限定にすれば、マイナンバー一気に普及。来年はオリンピック記念で20万円プレゼント。この場合は、キャッシュレスと絡めればそれも一気に普及。費用対効果やインフラ整備費用などと考えれば充分実用的では?

永江さんからの回答

結論から言いますと、ばら撒き政策をしても景気は良くならずお金が無駄になるだけです。20年前くらいに地域振興券を配った時も景気は良くならなかったですよね。

消費を促進して経済を良くするには、日本の先行きが明るくなることを示して消費マインドを高めることと、国民全員ではなく特にお金を持っている層にお金を使わせる対策が必要だと思います。

理由はいくつかあるのですが、まず第一にいくらお金をばら撒いたとしても将来が不安だと貯蓄や借金返済に回るだけで消費されません。今は高齢化社会で日本の大企業の先行きも悪く、子供が減って将来が暗い中ではお金は使われず貯金したりローンを減らすことに充てられるでしょう。

景気って実は人の気持ちの影響も大きくて、アメリカが好景気なのもトランプ政権がメキシコ国境に壁を作り、中国との輸出入を禁止して国内に工場作ったら米国内の雇用が増えて景気は良くなると言って、多くの人が共感して車や家電や家を買っているからじゃないですか(米国内で供給したら原価が高騰してしまうにも関わらず)。

日本が高度経済成長をしていた時も、長く続いていた戦争が終わって、日本列島改造・所得倍増計画が声高に進められ、みんながこれから日本は良くなるんだと勢いよく消費が回り、ベビーブームも起こりました。

なので、例えばですが小泉ジュニアみたいなカリスマ性がある人が総理大臣になって「これから日本は学費も無償になって、女性の働きやすい環境も整って、子供も育てやすくなって経済は絶対に成長する。だからどんどんお金を使ってください、それが日本を盛り上げるんです」って言って引っ張っていったら、それで消費志向が上がって景気は良くなるかもしれません。人の気持ちを盛り上げて前向きにさせることって実はすごく大事です。

print
いま読まれてます

  • ばら撒くなら「還元ポイント」を。人気コンサルが説く景気刺激策
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け