競技特性を考えるという事は、時にはそこからの副作用を見つけ出してそこに対応するためであったりもするのです。
走れば走るほど活性酸素は溜まっていきますし、グリコーゲンは減っていきます。あるレベルに達したら活性酸素対策と、グリコーゲンリカバリーへの意識をグッとあげてやる必要が生まれてきます。また体重もひたすら痩せた方がいいというわけではありません。その競技、またその人の適正体重を目指すとういことです。
また、これは少し高度なレベルになるかもしれませんが、その適正体重を少しずつ上げていくというのがトップランナーとしての条件になるように思います。どんなトップランナーも最初はビギナーです。従って、始めのうちは走行距離と減量によってパフォーマンスをあげていったはずです。
そうなると、どうしてもその原則が忘れられなくなってしまい、いつまでもひたすら走行距離と体重減を目指すというスパイラルに陥る危険性が生まれてくるので要注意です。
次に、トライアスロンの場合は、少しランと競技特性が変わってくるかと思います。トライアスロンはランニング出身者が有利とも言われていますし、実際に元ランナーは多いので間違いではありませんが、当然ながら別競技ということになります。
一言で言えば、トータルの強度がランに比べて図抜けて高くなるということです。ランも決して楽な競技ではありませんが、エネルギーをどううまく使うかという観点になります。エネルギー配分の競技といってもいいかもしれません。
ところが、トライアスロンやウルトラマラソン、トレランなどはエネルギー配分で賄える強度ではありません。エネルギー産出の競技と言えるのではないでしょうか。
私たちの肉体は負荷への適応という形で進化をしていきます。マラソンの場合は、42kmという負荷に肉体が適応していくことでタイムが向上するのです。これがトライアスロンになると、負荷が大きすぎるので拒絶反応が起こりやすくなります。
足が攣るとか、気分が悪くなるとか、それぞれの対処法はとても大切ではありますが、この状況自体が負荷に対して拒絶反応を起こしているということですから、対処法を覚えて対応するのではなく、拒絶反応が起こらないように適応力をあげていく事が根本的な解決でありパフォーマンスの向上なのです。