神社といえば、鎮守の森に囲まれた静かな佇まいといった印象を抱きがちですが、商店街の中など賑やかな場所に建つ神社もあります。京都・新京極の「錦天満宮」もその一つ。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者の英 学(はなぶさ がく)さんが、賑わう通りの一角に鎮座し珍しい形の鳥居の立つ、「錦天満宮」の見所を紹介しています。
錦の天神さん
京都の繁華街に菅原道真を祀る天神さんがあるのをご存知ですか?観光客や修学旅行生でにぎわう新京極の中にそれはあります。その神社の名前は「錦天満宮」です。聞いたことある方もいますよね?
合格祈願などのご利益がある錦天満宮は、珍しい鳥居効果もあってパワースポットとしても有名です。今回は錦の天神さんをご案内します。
錦天満宮のある新京極通りは修学旅行生や若者向けのお店が沢山並んでいていつも観光客であふれています。錦天満宮はこの新京極通り沿いに入口があります。錦天満宮にはとても珍しい鳥居があります。意識して探さないと見落としてしまうような鳥居です。この鳥居、よーく見て下さい。端の部分が壁に突き刺さっているんです。
この鳥居は昭和10年に建てられたものです。鳥居がつくられた当初は道幅が広かったそうです。しかし後に鳥居の両側の土地が売られてしまいました。そこに建物が建てられ、鳥居の上の横長の部分が建物に突き刺さる形になってしまったそうです。ガイドブックに載っているので知っている方もいるでしょう。
さて、鳥居の話は置いておいて錦天満宮をご案内します。
錦天満宮の神様は菅原道真です。平安時代に活躍した歴史上の人物ですね。菅原道真は5歳で和歌を詠んだり、学者の中の最高位「文章博士」になった人です。その才能が宇多天皇に認められ、右大臣に任命されます。しかし当時の朝廷は藤原氏が権力をにぎっていました。菅原道真の右大臣任命を良く思わなかった藤原時平に無実の罪を着せられてしまいます。そして九州の太宰府に流されてしまうのです。
「東風吹かば 匂い起こせよ 梅の花 主なしとて春な忘れてそ」
さぞ無念だったことでしょう。
その後、菅原道真を神様として建てられたのが「太宰府天満宮」です。現在は京都の北野天満宮など、菅原道真を祭る神社は約1万2,000社あるそうです。錦天満宮は、平安時代菅原道真が住んでいた烏丸下立売の菅原院につくられたのが始まりと言われています。
天神さんでよく見かけるのが牛です。牛は天神様の神の使いとされていますよね。これらの牛の像は「撫で牛」と呼ばれています。牛の頭を撫でた後に自分の頭をなでると学力が向上すると言われています。