原則はこうですが、初めて厚生年金に加入した人の場合はどうなるのか。たとえば令和元年11月に中途採用で入ったとか。その令和元年11月に入社した人は厚生年金資格を取得した時の給与(報酬)の見込み額で決める。資格取得時決定という。
例えば11月の給与と手当の条件が、給与20万円、通勤手当3万円、残業手当15,000円だったら総計245,000円になりますよね。標準報酬月額表に当てはめると23万円以上から25万円未満の間に当てはまります。だから標準報酬月額は24万円になる。
じゃあいつまで?というと、翌年令和2年8月までの適用となります。厚生年金資格を1月から5月までの間に取得したらその年の8月まで適用し、6月から12月の間に取得したら翌年8月までの適用です。
では最後に、年の途中で大きく給与(固定給)が変動した場合は随時で標準報酬月額を変更します。たとえば基本給が35万円、皆勤手当が1万円、通勤手当が2万円、残業手当が3万円、住宅手当が4万円なら合計の45万円が毎月の給与(報酬)だった人が、令和元年10月から新たに技能手当4万円が付く事になったとしましょう。合計の給与が45万円だったから、標準報酬月額に当てはめると44万円だった人。
まあ、技能手当が増えて報酬の総額が49万円(標準報酬月額表に当てはめると等級が2等級上がって50万円になる人)まで上がりましたよね。準報酬月額の等級が2等級上がってる状態が3ヶ月続くと4ヶ月目から新たな標準報酬月額に変更になります。
つまり、45万円の報酬(標準報酬月額44万円)だった人が令和元年10月、11月、12月まで49万円(標準報酬月額50万円)の状態が続くと令和2年1月から新たな標準報酬月額50万円に変更となります。これを随時改定といいます。1月から6月の間に随時改定されたらその年の8月まで適用し、7月から12月の間に随時改定したら翌年8月まで随時改定による標準報酬月額を用います。
※追記
4、5、6月の平均を取るのが原則ですが、業務の性質上他の月に比べて著しく変動する場合は、直近1年(去年の7月から今年6月まで)の平均と比べて2等級以上の差が出る場合は、直近1年の平均を標準報酬月額として使う事ができる。
ちなみに天引きされる保険料を下げたいから給与額を減らして標準報酬月額を下げたいと思い人も多いですが、標準報酬月額は将来の厚生年金額に影響を与えるので、標準報酬月額が高かった人ほど老齢厚生年金、遺族厚生年金、障害厚生年金額は高くなる。標準報酬月額が低かった人は厚生年金額が低くなる。
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