中国とは大違い。誠実な国・インドの急成長と未来への大きな賭け

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先日掲載の「このままではアジアに負ける。欧州がEUを作った恐ろしい真の理由」で、欧州各国が単体ではもはやアジアに太刀打ちできない事実を白日の下に晒した、中部大学教授の武田邦彦さん。今回武田さんは自身のメルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』で、そのアジアの中でも成長著しいインドのこれまでの歩みを紹介するとともに、今後の健全な発展のため必要なことについて考察しています。

世界で注目を集めるインド総選挙を経て、これからインドはどうなっていくのか

先回の「このままではアジアに負ける。欧州がEUを作った恐ろしい真の理由」では、今年のEU欧州議会の選挙で、500年間続いたヨーロッパの世界支配が本格的に崩れ始めたことを整理しました。日本とヨーロッパの関係も大きく変わり、私たちのとってヨーロッパの政治、経済、文化、王室などの存在が遠くに感じるようになるでしょう。極端に言えば、もう、欧州はそれほど気にしなくてもよいということでもあります。

欧州議会選挙が世界で2番目に大きい選挙とすれば、それより大きいのがインドの選挙です。今年行われたインドの選挙でも激変が起こり、ここもイギリスの植民地の面影を完全に消え去る結果がでました。

インドはイギリスの植民地として長く呻吟し、それは大東亜戦争で日本がイギリスを完璧に破ったことで解消されました。戦後のイギリスは植民地を維持しようとしたものの、すでに力を失い、戦争が終了してすぐインドの暴動を抑えられず約70年前にインドは独立しました。

インドはヒンズー教徒の階級制(カースト制度)でよく知られているように、上流階級の人が政治などでは活躍しますので、戦後のインドは独立はしたものの、長いイギリス統治の影響と上流階級の政治団体が支配していました。たとえば、悪名高い「分割統治」政策では、インドの国民の間に対立を先鋭化する目的で、「異なる宗教の人は分かれて住む」という指導がされたが、これはむしろ人々の間に宗教の差を認識させ、かつ祖先伝来の土地を離れることになり、宗教上の争いを激しくしたのです。もっとも、この法律自体が紛争を多くしてイギリスの影響を保とうというものですから、当然といえば当然です。

このような独立後のインドに混乱をもたらす政策に加担したのがインドの支配層(現代流の言葉を使えばエスタブリッシュメント)で、その代表がネルーやインデラ・ガンジーらの著名な政治家を生み出した国民会議派でした。本人たちがどのぐらい意識し、どの程度の利権を取っていたかは別にして、国民のためというよりむしろ既存権益のためといえるでしょう。

世界的に見ても、「リベラルな政権」はえてして「国の富を増やして発展させる」という概念は薄く、庶民の味方のようなことを言って、自分たちの利権を守るとともに国民にはバラマキ行政を行うのが常です。日本でも「**無償化」というのが流行っていますが、「無償化」といっても空からお金が降ってくるわけではなく税金で払うだけですから国は衰退します。インドも1990年代の初頭には分割統治とバラマキ政治のために破綻し、危機に陥り、それを契機に今度の総選挙で圧勝した保守派人民党が政権を取るようになりました。

およそ530程度の議席で、インド人民党が300議席を超えて単独過半数となり、首相になるとみられるモディ氏はカースト的にもこれまでの最上位の人ではなく、中間層の出身です。そしてその政策は日本の自民党よりアメリカの共和党に近いともいえます。

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