「対応に遅れをとる」「剣もほろろな対応」…。以上2つの漢字表記、どこが間違っているかお分かりになりますか?今回の無料メルマガ『神垣あゆみメールマガジン』では、これら勘違いしがちな漢字表記をその意味から解説してくださっています。
「極め付け」か「極め付き」か
思い込みやうろ覚えのまま、文字を入力してしまうことがあります。パソコンで入力すると、それっぽい漢字や言葉に文字変換されるので、気に留めずそのまま使ってしまうことも多いです。今回は、そんな間違えやすい言葉を取りあげていきたいと思います。
- 対応に遅れをとってしまいました。 ×
- 対応に後れをとってしまいました。 ○
「遅れ」は時間の早い・遅いを表すときに使い、「後れ」は物事の後先を表すときに使用。「後れをとる」とは、他に先んじられることを意味します。
- 極め付けの良書です。 ×
- 極め付きの良書です。 ○
本来は「極め付き」ですが、「極め付け」と混同して使われていることが多いです。
「極め」とは、書画や刀剣にその価値を鑑定・証明する「極め書き」「極札(きわめふだ)」のこと。極めを付けることから転じ、「定評があるもの、高い評価を受けているもの」を「極め付き」と言います。
ですが、「極め」を「極み、極限」と捉え、「その上、さらに」「挙句の果てに」という意味合いで使われていることが多く、次のような表現をよく目にします。
- 極め付きは豪華なお土産
- 散々だったうえ、極め付きに帰りは渋滞
- 剣もほろろな対応 ×
- けんもほろろな対応 ○
「けん」は剣ではなく、本来の意味は雉(きじ)。「ほろろ」はその鳴き声を指します。「けん」を「慳貪(けんどん)」にかけ、頼みや相談などを冷淡に断るさまを意味します。
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