ユニリーバの他にも、脱プラなどに踏み切る企業も増えている。コンビニエンスストア大手のセブンーイレブン・ジャパンは、おにぎりの包装を2019年7月中をめどに植物由来の原料を配合した「バイオマスプラスチック」と呼ばれる素材に切り替える。石油の使用割合を減らした素材を使うことで、プラスチックの使用量を削減する。
サントリーグループは、2030年までにすべてのペットボトルにリサイクル素材や植物由来の素材を使うほか、飲料用のペットボトルに植物由来原料を100%利用したキャップを今春、世界で初めて導入した。
日本マクドナルドは2018年から「ハッピーセット」のおもちゃリサイクルプロジェクトを行っているが、19年は子供たちの長期休みの時期にあわせて計3回、回収を実施する。3月中旬から5月初旬の春休み前後に既に実施したほか、7月~9月の夏休み期間に実施するほか、12月から2020年1月にかけての冬休み期間にも行う。回収されたおもちゃは、店舗で使用する緑のリサイクルトレイに生まれ変わっているほか、今後はトレイ以外の新たな再生品の開発も検討しているという。このほか、スーパーやコンビニなど小売業を対象にしたレジ袋の有料化の動きも始まっている。
国連などの調べによると、日本はプラスチックの生産量が世界3位で、1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量は世界2位。国内で年間に流通するレジ袋の枚数は推定400億枚で、ペットボトルの国内年間出荷は227億本に達するという。まさにプラスチック消費大国であり、プラスチック使い捨て大国である。国内では年間約900万トンのプラごみが排出されており、環境に対する責任は重い。消費者の意識改革やライフスタイルの見直し、企業の削減努力、そして行政の迅速な対応という「三位一体」の動きが急がれる。
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