楽天モバイルに「いかがなものか」NTTドコモが苦言を呈した理由

 

ドコモショップでパンプス廃止。スニーカー導入は実験店舗の成果━━NTTドコモ・吉澤社長「ショップは利用促進のために活用」

秋から施行される改正電気通信事業法によって、スマホの販売台数が落ちると予想される。そうなれば、街中のキャリアショップの存在が危うくなる可能性が出てきている。

そんななか、NTTドコモの吉澤和弘社長は「ドコモショップは、販売台数が出ないことには経営が厳しくなる。そのため、販売促進だけでなく、最近では利用促進に手数料を支払っている」と語る。

やはり「いかにスマホを便利に使ってもらうか」が重要であり、NTTドコモとしてはショップを顧客接点の重要な場所として位置付けているようだ。吉澤社長は「利用促進のためにどんどんショップを活用する。スマホ教室にもお金を払っている。ショップを削減するつもりはない」という。

契約手続きや故障対応、料金の支払いなどでは、オンラインでの対応を強化する一方、ショップは体験してもらう場所にしていきたいとのことだ。将来的にはショップをいち早く5Gエリア化させ、5Gも体験できるようにもするようだ。

NTTドコモでは、すでに実験店舗という位置付けで新しい取り組みを始めている。

この4月にドコモショップ五反田店をリニューアルし「d garden 五反田店」として実験店舗をオープンさせていたのだ。

スタッフのユニフォームはカジュアルなものとなっており、靴もスニーカー着用となっている。今週、一部ニュースで「ドコモショップの店員がパンプスを廃止し、スニーカーを履けるようにする」という報道があったが、これもd gardenでの取り組みが好評だったためのようだ。吉澤社長は「ユニフォームも評判がいいので、すべての店舗のユニフォームを変えてしまおうかと検討中」とのことだった。

また、d gardenでは、メルカリの出品用の梱包場所があったり、ドコモ・バイクシェアが設置されていった取り組みも行われているという。また、会員向けにはコーヒーも無料で提供。カフェの利用ユーザーには雑誌読み放題サービス「dマガジン for Biz」がインストールされたタブレットも利用できるとのことだ。

吉澤社長は「将来的には10店舗ほど設置したい。それぐらいあれば、実験としての成果が見えてくるのではないか」と語る。
スマホが売れなくなる中で、キャリアショップの位置付けも変化が求められているようだ。

image by: rafapress / Shutterstock.com

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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