飲食店や美容室、コンビニ、スーパーなどでは、それぞれの色合い、雰囲気にあったBGMが流されています。しかし、「そのBGMは何のためにあるのかを理解していない店はサービスの向上は図れない」とするのは、人気コンサルタントの中久保浩平さん。中久保さんは無料メルマガ『ビジネス真実践』で、自身が体験した例をもとにその理由を詳しく解説しています。
何のためにBGMがあるのか?
先日、仕事の合間に神戸市の郊外にありますとあるカフェで少しまったりしいた時のこと。
そのお店は白が基調ということもあり、明るく清潔感があって、とても心地よい空間でした。他にいらしたお客さんも読書をしていたり、主婦同士がスイーツをつまみながら談笑を楽しんでいました。
店内に流れるBGMは、そうしたお客様のひとときを邪魔せず、ゆったりとしたクラッシックがほど良いボリュームで流れており、ゆったりとした空間を演出していたのです。
ところが突然、厨房カウンターの奥辺りから大きな笑い声が。スタッフ同士の会話が盛り上がっているのかなんなのか分かりませんが、せっかくのひとときが一気にぶち壊されてしまいました。
その後、笑い声だけでなく、話声のボリュームもどんどん大きくなり、その内容までまる聴こえというありさま。丁度良いボリュームだったBGMのクラッシクは、虚しくもかき消されてしまいました。
BGMは何のためにあるのか?その意義、目的をちゃんと理解しておかないとせっかくのお店の雰囲気もぶち壊しになります。雰囲気をぶち壊すということは、お客さんの貴重な時間を奪うということです。
飲食店、美容室、エステサロン、あるいはスーパーやコンビニなどとにかく店舗にはそれぞれの色合いに合ったBGMが流れています。それは単に店の雰囲気作りという演出をするだけのものにあるということではありません。ただなんとなく流しておけばいいというものでもありません。
お客さんが来店している目的は何なのか?そこを十分理解してBGMを選曲し流す必要があり、サービス(接遇・接客)と一体化させることが重要なのです。演出だけが店作りではなくサービスと一体となって“店作り”であるということ。
先述したカフェのスタッフは、そのことを全く理解していなかったのでしょう。お客さんは、スイーツを食べに来たのでもなく、コーヒーや紅茶を飲みにきたのではなく、それぞれのゆったりとした時間を楽しみに来ているのです。
お客さんを見ていれば十分理解できること。それさえ理解していれば、「BGMをかき消すような私語は厳禁である」ということがよく分かるはずなのです。それどころかサービスの質を向上させることだってできるのです。
BGMは何のためにあるのか?今一度、貴店でもスタッフみんなで再確認しておきましょう。
■今日のまとめ
「BGMの意味を理解する」
- BGMを流すということはどういうことか?その意味を考えノートに書き出してみる
- 自店のBGMはお客様の来店目的にマッチしているか?選曲、ボリュームなど検証してみる
- 同様にBGM以外にも照明や店内の装飾、レイアウトなどの意味を考えノートに書き出し、お客様の来店目的にマッチしているか?検証してみる
- 上記と連動してサービスの質をより良くするためにできることはないか?考えノートに書き出す
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