れんこんのブランド化に成功した野口農園「高く売るための努力」

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1本5,000円前後という「超高級れんこん」が飛ぶように売れ話題となっています。国内はもとより海外の高級レストランからも高く評価されているというこのれんこんの「ブランド化」成功の秘訣はどこにあるのでしょうか。MBAホルダーの青山烈士さんが自身の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で、高級れんこんを世に送り出した野口農園の戦略・戦術を分析しています。

新しい価値の創出

今号は、人気の「高級れんこん」を分析します。

野口農園(れんこんの生産販売)

戦略ショートストーリー

ギフト購入者や高級料理店をターゲットに「食味の良い希少品種を栽培するノウハウ」に支えられた「上品な甘み」、「シャキシャキ感」等の強みで差別化しています。

甘味にこだわった「高級れんこん」という市場を創出することで、ギフト品としてだけでなく、海外の高級レストランからも支持を得ています。

分析のポイント

「野口農園」は「れんこんのブランド化に成功している好事例ですので、今号ではその成功要因について考えてみたいと思います。

「良いものをつくれば売れる」という時代は終わったという言葉を聞くこともありますが、良いものを作るだけで売る努力をしなければ売れることは難しいということですね。

売るための努力に、良いものを安く売るための努力がありますが、この努力は売れやすさにつながるとは思いますが、生産者側にとっては、手間暇かけて作ったものがその手間暇にあった価格で売れなければ、割に合わないですし、皆が同じように安く売る努力を始めて価格競争が拡大すれば、個々の生産者は疲弊してしまいます。

「野口農園」の場合、どのような売る努力をしたかというと、高く売るための努力をしたのです。

具体的に言うと、手間暇かけて育てた「れんこん」の価値に対して適正な価格を設定し、地道な認知活動とともに、その価値にお金を払ってくれる方をターゲットに売り込んだのです。

高く売るための努力の困難さは、想像に難くないですが(実際に野口農園も相当ご苦労されたようです)、高く売るためのポイントとなるのが「新しい価値の創出」です。

当然ですが、世の中に出回っている「れんこん」と同じものを提供していて、自社だけ価格を高めれば売れなくなります。ですから、世の中に出回っているれんこんと異なる新しい価値を提供する必要があります。

その新しい価値を生むために起点となるのが、「れんこん」の希少品種あじよし」です。希少品種であるということだけで、一般的な「れんこん」と異なることは明らかですし、実際に味を比較しても、「上品な甘さ」と「異次元のシャキシャキ感」という他のれんこんに無い価値提供につながっています。

しかし、「あじよし」は既存の品種ですし、「あじよし」の特徴である「上品な甘さ」と「異次元のシャキシャキ感」はもともと備わっていたものですから新しい価値というわけではありません

では、何が「新しい価値」なのかというと、「野口農園」は、「あじよし」の価値と高く売る努力を組み合わせることで、高級食材としての「れんこん」、ギフト用としての「れんこん」など、あらたな利用シーン使い方の創出につなげています。

つまり、「れんこん」の新しい使い方により生まれる価値、例えば

  • ギフトで「高級れんこん」を贈ることで相手に喜んでもらえる
  • 料理店で「高級れんこん」を食べた顧客が喜んでくれる

といったことが、ユーザー(購入者)にとっての、新しい価値であり、「野口農園」が新たに創出した価値ということになります。

このような新しい価値が認められ、実績が積み重なることにより、「野口農園」の「れんこん」は高級食材であるという認知度の拡大とともに、ブランド品として扱われるようになっていったのでしょう。

今後、野口農園の「れんこん」が、世界にどのように広がっていくのか注目していきたいです。

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