地方の和菓子店は生き残れるか?戦略を人気コンサルに聞いてみた

 

永江さんからの回答

厳しいようですが、地方の和菓子店はよほど有名なお店かソーシャルでバズるような創作菓子を扱うお店でないと生き残れません。おじいちゃんおばあちゃんがやっている普通の田舎の和菓子店であれば、残念ながら累損が大きくなる前に店を畳む方が賢明だと思います。

というのも、田舎はこれから人口が減少していくのでどうしたってマーケットが小さくなっていきますよね。ましてや和菓子は高齢者が主たるターゲットですが、年金生活で糖尿病等を罹患して身体の具合も悪くなってくると、甘いお菓子ばかり食べていられないので市場規模はますます減少していきます。

加えて、最近ではスーパーやコンビニスイーツもそこら辺の無名のお菓子屋よりもレベルが高いものを大量生産しているので、消費者のニーズは満たされています。わたしが先週滞在した奄美大島も大きな街で歓楽街も多いのに、和菓子店はほとんどありませんでした。

「とらやの羊羹」や「萩の月」などの超有名菓子であれば別ですが、無名の和菓子店がそんな厳しい市場・競争環境の中で生き残っていくのは至難の業でしょう。

唯一活路があるのは可愛くてインスタ映えする創作和菓子・洋菓子や手の込んだバースデーキャラクターケーキです。わたしも先日Twitterでシェアしましたが、このようにソーシャルで話題になりネットで売れるような事業展開なら可能性はあると思います。ただ絵心やデザインセンスもSNSのリテラシーも必要ですし、若いオーナーではなくおじいちゃんおばあちゃんが経営する昔ながらのお菓子店では正直難しいでしょう。

厳しい現実ですが、田舎にある有名でない和菓子屋さんは無くなっていくのが必定だと思います。率直に言って、赤字が拡大する前にお店を閉めることをおすすめします。

image by: Shutterstock.com

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