セールストークもAIが評価の時代に。人間は一体何ができるのか?

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先日、セールストークを人工知能が評価するスマホアプリを保険会社が導入する、というニュースが話題となりました。予想できた流れとはいえ、接客のプロはどう見ているのでしょうか。接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんがメルマガ『販売力向上講座メールマガジン』に、自身の見解を記しています。

保険会社の取り組みから考えること

先日、日本生命保険が、セールストークを人工知能が評価するスマホアプリを導入するというニュースを目にしました。営業マンが、スマホに向かって保険商品などの提案をすると、表情や話すスピードなどをカメラで認識して、AIが判断してくれるというのです。基準は売れる営業マンとの比較らしくて、ロールプレイを実施するほどの時間や労力がかからなくても、学べるということでした。

AIアプリが生保営業の“殺し文句”を伝授

個人的には、ようやくこういうものが現場に投入され始めたなという感想と、じゃあ人間同士がトレーニングをやるべき理由はどこにあるのか?という部分を考えさせられる1つのきっかけになりました。真面目な話、今後、社員教育を始め人の成長にはどんどんAIが投入されるはずです。

今もすでにそうなのですが、これまで以上に、AIができることは増えていきます。接客でいうなら、私がやっているようなロールプレイを通じた研修や、その他の販売・接客に関する研修なども、わざわざ人がやる意味は薄れていくことでしょう。

私自身は、だからと言って、反対する気もなくて、むしろ、効率的に多くの人の教育ができるのならどんどんやってもらいたいことだとさえ思っています。

ただ、その一方で、やはり人でなければいけない部分も少なからずあるとは思います。例えば、私の研修の場合は、フィードバックがその部分に当たると考えています。いわゆる「ふりかえりの部分ですが、実際にロールプレイを通じて、その人のどこをどのように修正していくべきなのかどこを伸ばしていくべきなのかを伝えるということ。ここは、私的には、AIではまだまだ難しい部分だろうと考えています。

統計的にデータを取れば、目の前でロールプレイをやっている人の問題点や、改善点を導き出すことは可能かもしれません。まさに冒頭のアプリの話です。ただ、そこには、人それぞれの特徴を加味しなければいけないこともありますし、接客において言えば、その人にあった接客法ではないことをやり続けているという場合もあったりします。その辺を見抜いて伝えられるかどうか、また、伝え方もその人に合っているかどうかを、私は常に考えてフィードバックをしています。

このノウハウは、伝えようと思っても、そう簡単に伝えられるものではなくて、私自身、言語化するのに困るくらい難しくて重要なポイントなわけです。ここがAIでできるのであれば、それはそれで素晴らしいことですし、むしろ応援したいくらいなのですが、今の段階ではまだ厳しいでしょう。

これはあくまでも私の話ですが、これからも教育に携わる機会のある人は、こういった部分を意識する必要はあるはずです。従業員教育において会社としてはどのように効率化を図るべきなのか。その一方で、そこで伝えられない部分教育が難しい部分はどんなところなのか?

それらを2軸でしっかり意識して考えることで、効率だけでは測れない、大事な部分の教育につながることもあります。改めて、この辺りを考えるきっかけになりました。

今日の質問です。

  • 現在の自店・自社の教育において、AIでできるであろうことにはどんなことがありますか?
  • 逆に、AIでは難しい、人でなければいけないと感じることにはどんなことがありますか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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