いまや犯罪にも自動音声「ロボコール」。アメリカの電話詐欺事情

 

そして今回、ライフラインの1つである電気・ガスに関する電話。ひとまず内容を聞かないとと思ってしまう。でも今回受けた電話を怪しく思ったのは、割引きの金額が絶妙に心をくすぐる金額だったこと。

もしこれが3ヶ月間無料!とか、1000ドル(10万円)貰える!とか言われれば、速攻で詐欺判断できる。それがもともと割引きされなくても、支払う予定のものを割引きされたらほどよく嬉しい範囲の金額で提示してきたのだ。

割引きされるなんて珍しいけど、「100ドルならありそう」と、思わせる金額。50ドルでもOKだったかもしれない。もやもやした不信感だけが残るけども、はっきりと詐欺であると確信できない金額なのだ。しかも、個人的な経験でここ1週間でいろいろ割引きを経験している。

前回のメルマガでもお届けしたが、バック・トゥ・スクールのセールもあり、購入した商品がいろいろ割り引かれたり、以前使っていたサービスで解約したものに対して再加入すれば65%割引き!というハガキが届いたり。

もっともお得と感じたのがコンタクトレンズを購入したとき。1年分買えば、即100ドル引きでウェブサイトから後日別途申請するとさらに200ドル割引きになったのだ。もともとEコマースの安いところで1年分購入しようと思っていたのだけど、さらに200ドルも安くなったので、どこよりも最安値だった。販売はちゃんとした小売店舗でのこと。

合計300ドルも割り引かれた経験を直近でしていて、なんなら道端で5ドルも拾った。腰痛の苦しみを割引きが慰めてくれるようだった。そんな少し心がもろく緩んでいるところに今度は電気・ガス代が100ドル引きときた。あり得るかもしれない!

思わず電話で感嘆してしまった。かけてきた相手も嬉しそうな反応だ。100ドルの割引きが決まった、手続きに入る。電話の相手は、「それでは手続きのためいくつか確認させてください。まずは名前と住所をお願いします」と言ってきたのだ。

相手は電気・ガス会社で毎月料金をきちっと支払うから100ドル引きするよって電話をかけてきたのに、個人情報を聞いてくるとは何事なのか?

「ほんとにその会社の方ですか?なんで私の情報を知らないのですか?」と聞いてみる。「この後、会計担当が折り返す際に確認するためだよ」と若干焦ったような口調でよくわからない返答。

さっきから頭の中にあったもやもやした不信感が確かな不信に変わった。これは詐欺か何かだ。しかもずっと私の名前を言ってくるが、電気・ガス料金のアカウントは夫の名前で作っているので、それもおかしい。おそらく、どこかで名前と電話番号だけの名簿を入手して、さらに詳細を聞き出すことで転売するか、何かの詐欺に使うための電話なのだろう。

print
いま読まれてます

  • いまや犯罪にも自動音声「ロボコール」。アメリカの電話詐欺事情
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け