現役アナウンサーが教える「◯◯口調」を自在に操る話し方の技術

 

最後に、おまけです。「〇〇口調」というのは、言い換えれば、まるで〇〇みたいな話し方、というような、その人の話しぶりの喩え、比喩表現、と言うことも可能だと思います。

では例えば、比喩表現が巧みな人気作家、村上春樹さんの小説には、どんな口調が、どんな言葉で表現されているのか、いくつか挙げてみることにしましょう。

「もしもし、」と女が言った。それはまるで安定の悪いテーブルに薄いグラスをそっと載せるようなしゃべり方だった。~『風の歌を聴け』

私、あなたのしゃべり方すごく好きよ。きれいに壁土を塗ってるみたいで。~『ノルウェイの森』

「可哀そうな人」と彼女は言った。まるで壁に書かれた大きな文字を読み上げているような声だった。~『国境の南、太陽の西』

いかがですか?解説は野暮ですね。

先に述べたように、〇〇口調は、イメージ出来たら、再現できる話し方です。「壁土をきれいに塗るような、口調」。なるほど、こんな話し方かな~なんてイメージして、実際に誰かに試してみる、なんていうのも、遊び心のある取り組みかもしれません。

村上春樹の小説に出てきそうな話し方、なんだか、漫才のネタになりそうですね…。

image by: Shutterstock.com

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アナウンサー歴30年、極限の環境で話し続ける著者が、実体験から会得した「話し方のコツ」を理論化。人前で話す必要がある人の「もっと〇〇したい」に、お答えしています。一般的な「話し方本」には無い情報満載。

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