たとえば困難な事態に直面した際、「どうせダメだ」「いや、まだこれから」といったように、対照的な気持ちが沸き上がってくる「個人差」は何に根ざすものなのでしょうか。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんは、「成功体験の差」が言動を左右するとした上で、「人生は勝ちすぎても負けばかりでもダメ」という理由を解説しています。
負けてばかりの人生もまたダメ
人生で勝ち続ける人というのは、挫折を知らずこれはこれでイヤなヤツになりがちだということを前回(「よく考えれば判る。優秀な経歴だけを持つ人を採用すべきでない訳」)書きました。出来て当たり前、出来なきゃバカだって価値観が強くなっていくと、他者がおバカに見えてくるんですよね。
ところが逆に、人生で負け続けていると、今度は卑屈さばかりが目立ってしまうんです。
何度も書いているように、人生って最後は勝ちと負けが半々くらいのところで落ち着くはずなんですよ。だから現在の勝率が5割を圧倒的に下回っているという人は、これから勝ちが続いて帳尻が合う人生になるはずなんです。ところが実際にはなかなかそうはならないんです。
その理由のひとつがここにあるんです。
人生で負けが続いたら、
▼ また負けた~
▼ どうせオレなんて
▼ 頑張ってもどうせダメだよ
▼ やっぱり勝てるわけがないんだよ
▼ やるだけ時間のムダだよ
って感じでドンドン卑屈になっていくんです。負けるってことの怖さはここにあるんです。これを押し返せるのは、20代くらいまででして、30歳を超えても勝った経験がないと、大事なところで踏ん張り切れなくなるんですよね。
上司の立場で見ていると、あと少し、ここが勝負所だ、今こそ鞭を入れて頑張らなきゃならないところだ、ここを乗り切ったら勝ちが見えて来るぞという大事な場面で息切れしたり、失速したりするんです。そしてその大きな理由は、自分が諦めちゃうからなんですね。
あと少しで逆転出来る(という予測は、上の立場の人間ならかなり正確に出来るモノです)、だから頑張れって言ってるのに、そうやって逆転した経験が無いから、それが理屈でも身体感覚でも信じられないんです。それを上回る力で、負け続けた自分の記憶がのしかかって来ますから。
で、結局ズルズルと後退していって、
■ やっぱり頑張ってもダメだったじゃん
って記憶を上書きすることになるんです。こういう人にはチャンスの場面が回って来ることが少なくなりますし、そもそもドンドン諦めるタイミングが早くなっていくんですよ。そういうのを負けグセっていうんですが、こうなる前に一度は逆転する、勝ち切る経験をしなきゃならないんです。
そろそろ30歳が見えて来たという人で、まだ呵々大笑した経験が無い人は、早めに一度はこれを体験すべきです。歳を取れば取るほど、土俵際が弱くなり、知力体力も衰えますからね。
私がなんとか人生をひっくり返せたのは、若い頃に何度か努力が花開いて、目標を達成した経験があったからなんですよね。その経験が無かったら、人生を賭けた勝負の場面で粘り勝ちを収めることは出来なかったんじゃありませんかね。
人生は勝ちすぎてもダメ、負けばかりでもダメ。両方をちゃんと経験しているから、他者にも優しくなれますし、勝負所で踏ん張りも利くんです。
面接では、経歴の素晴らしい人、学歴の良い人には、ネガティブな経験を、何の取り柄も無いような学歴、経歴の人にはポジティブな経験が無いかを確認すると良いですよ。前者は失敗から何を学んだのか、その失敗が今の人生にどう効いているのかを訊きますし、後者は勝利の味、達成した時の喜びを持っているのかどうか、その気持ちを意志の力で立ち上げることが出来るのかを確認すると良いでしょうね。
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