知ってるだけの知識を「使える知識」や「知恵」に発展させる方法

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座学で得た知識を行動で実感する、逆に、実際の体験が読書で腑に落ちた、という経験、ないでしょうか。「客観的・理性的知識」と「主観的・身体的知識」を結合させることは、知識の発展には不可欠なようです。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では著者の石丸智信さんが、知識を知恵として発展させて行くことの意義を考察しています。

一方の知識に偏っていませんか

本を読んだり、講演会やセミナーなどに参加したり、色々な体験したり、その中で様々な「知識」を得る機会があったと思います。知識を得るということは、自分を成長させたり、何らかの価値を生み出したり、周りに対して貢献したり、様々な場面において必要なことだと言えます。本号では改めて、この「知識について考察していきたいと思います。

知識は、大きく分けると2つに分けることができると思います。まず1つ目は、本を読んだり、講演会やセミナーなどで人の話を聴いたりするなどして得ることになる「客観的理性的知識」「読み聞き知識」です。もう1つは、実際に体験、経験、実践したことによって習得することになる「主観的身体的知識」「体験知識」です。

一般的に、知識を得るといったら、「客観的・理性的知識」のことを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。例えば、子どもたちにとっては、学校や学習塾などにおいて、授業を受けることで習得することになる知識が、客観的・理性的知識に該当します。また、職業体験、実験など実際に体験、実践することで得た知識が、主観的・身体的知識に当たるでしょう。客観的・理性的知識は、言葉や文章、数式、図表などによって表すことができる知識です。

一方で、主観的・身体的知識は、言葉や図表などで表現することが難しい知識です。例えば、自転車の乗り方の本を読んだり、映像を見たりして知識を得たとしても、その知識を活かして、実際に自転車に乗ってみないと、乗ることができませんね。また、自転車に乗れたという体験から得た知識を、自転車に乗ったことがない人に教えようとした時に、その知識を言葉で説明することはなかなか難しいのではないでしょうか。これまでに、自分が体験、実践したことを、他者に伝えるために表現しようとしても、なかなか的確に表現することが難しかったという経験はありませんか。

文章などによって表現される客観的・理性的知識は、知識の中での氷山の一角と言えるでしょうね。多くの知識が、主観的・身体的知識として、表現されることなく、残されてしまっているのではないでしょうか。

客観的・理性的知識を、実際に活用して実験したり、それを踏まえて実践したりすることによって、主観的・身体的知識へとつなげることができます。また、主観的・身体的知識を理論化するなどして、文章にしたり、数式にしたり、図表にしたりすることによって、客観的・理性的知識へと統合することができます。両知識を統合することによって、より付加価値となる知識となり、ひいては知恵となって発展していくのではないでしょうか。例えば、おばあちゃんの知恵袋と言われる生活の知恵も、そのひとつだと言えるでしょうね。

客観的・理性的知識だけを習得していても、実際に実践、体験などしていないので、知恵に発展することにはならず、使える知識にもなりませんね。同様に、主観的・身体的知識だけでも、その時々の体験から得た知識なので、環境変化などがあると、その知識を応用して使うことができない側面があります。また、文章化、理論化することが難しいことから、自分はできるけれども、他者に簡単に教えることができず、周りの多くの人たちに伝えることもできません

このように考えると、お互いの知識を統合することによって、知識を知恵に発展させるとともに、多くの人たちに伝達できるようにすることが重要になってくるのではないでしょうか。

自立・自律型人財にとっては、客観的・理性的知識を習得するとともに、その知識を実際に活用することが重要です。同じく、自らが体験、実践することによって得た主観的・身体的知識を、理論化、文章化するなどして、環境変化にも柔軟に対応できるようにして、他者にもやさしく伝えることが大切になってくるでしょうね。

◆参考文献 『人生を逆転する最強の法則』竹田陽一 著/中経出版

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【著者】 いしまるとものぶ 【発行周期】 週刊

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