教えてから、支える。自分で学び考え行動できる人材を育てる方法

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一昔前の指導といえば、一方的に教え込むだけの方式が中心でした。しかし、自ら学び行動できる人材に育てるための指導は、それだけで十分とは言えません。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では著者の石丸智信さんが、「コーチングとティーチング」の違いと、人を伸ばすためその2つの教えをどう使い分けるのかについて解説しています。

2つの教えること、指導すること

以前、目標管理に関する研修を聴講する中で、「『管理』を英語の単語で表すと、どのような単語を思い浮かべますか?」 という質問が、講師からありました。その質問に対して、受講者からまず出てきた単語は、マネジメント(management)で、その後に出てきたのは、コントロール(control)でした。

では、「上司など、周りの人から自分はマネジメントされている」または「上司など、周りの人から自分はコントロールされている」という2つの文章から、それぞれにどのような印象を持つでしょうか。

私自身の印象として、「周りからコントロールされている」というのは、自分自身の意思とは関係なく、一方的に管理されているという印象があります。一方、「周りの人からマネジメントされている」ことへの印象は、自分自身が持っている持ち味などを活かしてもらいながら、周りから管理されているという、上司などの相手と自分との間に双方向性があるようなイメージを持っています。

きっと、人それぞれに印象は違うでしょうし、この「管理」という言葉ひとつとっても、印象は違うのでしょうね。

では、ここからは、「教える」「指導する」という言葉からイメージする英語の単語として、ティーチング(Teaching)とコーチング(Coaching)について考察していきたいと思います。

ティーチングとコーチングと聴いて、どのような印象、イメージを持つでしょうか。私としては、ティーチングと聴くと、まさに、相手を直接教える、指導するという印象、イメージがあり、「相手に1から10まで答え自体を教える、指導する」ことではないかと思います。次に、コーチングは、その原則をして「相手の中に答えがある」ということがあるので、「相手から答えを引き出す」「相手を後ろから支える」「答えにたどり着くまでのプロセスや環境を整える」などといった印象を持っています。

どちらが重要だ、ということではなく、ティーチングが重要視される場面もあれば、コーチングが重要視される場面もあると思います。

例えば、野球を始めたばかりの子どもたちを想定してみましょう。野球をやり始めの子どもたちにとっては、ルールや投げ方、打ち方、守り方、体力づくりなどの基本的なことも分からないでしょうね。

そこでは、やはり、監督やコーチは、子どもたちにルールの説明や投げ方、打ち方などの基本的な知識や技術を教えることが必要だと言えます。このような段階においては、知識や技術などの答えを子どもたちに教える、指導するというティーチングの姿勢が必要ではないでしょうか。

このティーチングの段階において、子どもたちが、打つことや投げることなどの基本的な知識や技術などができるようになったら、次は、ティーチングだけでなく、子どもたちをコーチングしていくという視点が必要になってくるでしょうね。子どもたちには、基本知識、技術をベースとしながら、自らの持ち味を発揮することができるように、子どもたち自身に考えさせることが大切になるでしょう。

例えば、足が速いのであれば、「どのようにしたら、足の速さを活かすことができるのか?」といったように、子どもたちが自ら考えることができるような機会をつくり、その考えたことを実践できるような場づくりが必要です。

もし、実践してみて、うまくいかなかったとしても、すぐに、監督やコーチが答えを与えるのではなく、「なぜ、うまくいかなかったのかな?」「どうすればうまくできるようになると思う?」などといったよう質問し、子どもたちが考えた答えを傾聴するなど、子どもたちが、考えることができるように促していくことが重要になるでしょうね。

また、子どもたちが、行き詰まった時には、答えそのものを教える、指導するのではなく、答えにつながるようなヒントをアドバイスするなど、子どもたち自らが、考えることや実践することを諦めないようにしていくことも大切になりますね。

これから求められる人財像として、「指示・命令されたことだけを的確にできる」だけではなく、「自分で学び、考え、判断・決断し、行動できる」人財像が求められるのではないでしょうか。

子どもたちには、基本的なことは教える、指導するとともに、子どもたち自身が考えて、行動できるように促していくという、「ティーチング」と「コーチング」を使い分けていくことが重要になるのでしょうね。

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【著者】 いしまるとものぶ 【発行周期】 週刊

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