【カンブリア宮殿】なぜ人々はロフトの雑貨にワクワクするのか?

 

他社のボツ商品で大ヒット~ロフト驚異のバイヤー集団

罫線のところに円周率が記されているユニークな「円周率ノート」は、「キングジム」とのコラボで誕生した。その経緯を知るのが同社開発本部の志村寛久さんだ。

「打合せの中で出たアイデアだったんです。ただ社内的には『製品化は難しい』と、その時はボツになったんです」(志村さん)

ところが、ツイッターでボツになったことをつぶやくと、それを見たロフトのバイヤーが商品化したいと連絡を取ってきたという。

「『まさかそれをやるんですか』という気持ちが強かったです」(志村さん)

結局、ノートを作ってロフトで販売したところ、思わぬ大ヒットに。その後、同じアイデアで「百人一首」「素数」など、シリーズ化するまでになった。

ボツにしたアイデアでヒットを飛ばしたロフトについて、キングジムの宮本彰社長は「本当に商品化されるとは実は思っていなかったです。『ロフトさん、さすがだな』と。その後も売れているということで、正直びっくりしています」と言う。

そんな他社も驚くロフトの凄腕バイヤーが集まるのが総勢50人の商品部。あらゆる分野の雑貨を世界中から買い付ける、ロフトが誇る専門家集団だ。「『真面目にふざける』という部分をずっと持ってやっています」と、その1人は言う。

ロフトのバイヤーたちは様々な商品の大ヒットの火付け役となってきた。例えば今や定番のシステム手帳。イギリスのメーカーが販売していたものを日本用に改良、ロフトが爆発的にヒットさせた。今では当たり前のアロマも、90年代前半、ロフトが日本で初めて売り場を大々的に展開、一般化させたという。

韓国・ソウル。「日本で未発売のもので、ヒントになるようなものを見たい」と言うバイヤー永松彩が真っ先に向かったのは、今年2月にできたばかりというブランドの店。ここの化粧品の売りは、マグネットで商品同士をくっつけられるユニークなデザインにある。

ところが永松は「そんなにかわいいと思わない。ロフトでの展開は難しい」。バイヤー自身がときめかない商品を買い付けることはない。女性向け商品は、韓国のものが日本でブームになることが少なくないという。しかし、永松の心が騒ぐものはなかなかない。

そんな中、ある店で「ほとんどコラーゲンでできている」と紹介されたのが、初めて見るスキンケアマスク。マスクは肌に貼り付けると30分ほどで透明に。マスクのコラーゲンが肌に浸透するのだという。「日本にはあまりない。売れそうです」と永松。買い付けを決定、ロフトでの販売を決めた。
「店頭にお客様が来られて『ロフトにあったんだ』というのを目にすると、『やった』と思います」(永松)

ロフト_03

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